過去ログ - ほむら「アリゾナは」杏子「今日も暑い」
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441: ◆2GQkBO2xQE[saga]
2013/12/15(日) 19:16:25.75 ID:CD9CEYV7o
「それじゃあどうぞ奥に上がって! みんなのために、最高のご馳走を用意したのよ」

「こっちこそありがとね、マギー! それじゃ遠慮無く上がらせてもら――」

「アルフィー、お客様がいらっしゃったわ! あなたもお迎えの準備をしてちょうだい!」

「………っと」

顔色を良くしてスマイルを返す杏子を無視して、マギーはさっとワンピースの裾を翻し、
芳しい香りが立ち上る屋敷の奥、キッチンと思わしき方角へと駈けて行ってしまった。

「……なかなかマイペースな人みたいね……」
「……マミを我慢知らずにして人の話を聞かなくしたらあんな感じかね……」

急に間の抜けた空気になってしまった。

小走りで駆け去っていく金色の巻紙に、微妙な表情を向ける二人。
あの調子っ外れな雰囲気を見る限りでは、罠の心配はいらないだろう。
マギーを追って廊下に向かう二人の後ろにくっついていくジョディの背中に、七面鳥がクエーっと鳴いた。

廊下はやはり広かった。
壁には大きな鹿の角が飾られていたり、花の活けられた壺なんかは多分、見たとこ安物ではない。
ジョディも仮にもニューヨークのセントラルで育った経緯があるので、物の価値はそこそこわかる。

少し複雑な心境だった。
これだけの富を持っている者達が、なぜそれ以上の物を欲しがるのだろう?
かつてジョディがいたセントラルには、そういう連中が山ほどいた。

世界の中心と呼ばれる場所で、莫大な金と栄光を手に収めてなお、更なる大きな利益を求めて、
寝る間も惜しんで図り事をし、時には人の心を踏みにじってまでなにかを得ようと足掻く者達。
それは学校の友人達のうち何人かだとか、あるいは他のクラスの連中でもあったし、父と母もそうだった。

大会社の重役である父はより大きな業績を残すため、弁護士の母は一つでも多くの裁判に勝つために、
月に何千ドルも掛けて優秀なヘルパーを雇うことで、幼いジョディを家に残してそれぞれの仕事に打ち込んでいた。
そうして取り残されたジョディが寂しさや疑問を感じたのは、一度や二度ではなかったと思う。


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