過去ログ - ほむら「アリゾナは」杏子「今日も暑い」
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461: ◆2GQkBO2xQE[sage saga]
2014/01/26(日) 17:58:18.26 ID:Y4LcKUREo
「そもそも彼らが企業を興した際の財源が、ジョセフ・スミスの残した埋蔵金らしいのよ」

次々と資料に目を通していく一同に、マギーが補足した。

アメリカ合衆国内部で公に出回っている文書において、教団設立以前におけるジョセフ・スミスの経歴はきわめて平凡なものだ。
実家は農家。大規模農園というわけでもなく、彼は長男ですらない。
ある日突然神の啓示を得た結果、宗教組織を興し上げ、それが新しい宗教を求める当時の世情に符合した。
熱心な彼の信奉者達は、その話に尾ひれ背ひれをつけて気宇壮大に語るだろうが――実際、それだけの話である。
しかし、

「『奇跡の代行者』。『第二のモーセ』。あー、すげぇなあー。死んだ三日後には目を醒ましたってノリだなこりゃあ?」

「馬鹿げてるよ、こんな話」

半ば呆れる杏子の脇で、口を尖らせるジョディ。
彼女達が今読んでいるのは、教団設立後にジョセフ・スミスが起こしたと言われる『奇跡』に関する資料だった。

曰く、手をかざしただけで病を直した。曰く、彼は銅を金へと変えた。
曰く、彼は地図を見ただけで油田の場所を探し当て、あるときは金の鉱山を見つけ出した。
宗教団体の指導者に必ずといっていいほどついて回る、荒唐無稽な作り話の数々。
常人なら鼻で笑い飛ばすだろうその話を、よりにもよっていち政府の諜報機関が文書として作成しているというのだから呆れかえるほかにない。
しかもやってるのはヒト科の男――敬虔な魔法少女なら耳にした瞬間ショックで卒倒するか、口から泡を吹く勢いで激昂し、
魔法少女の職務が如何に神聖で男には真似できない苦難に満ちたものなのかをたっぷり説明してくれるだろう。

「根拠となる情報の洗浄そのものはもう何度も行われたことだから、データの正確性については割愛するわ。
 重要なのは『彼らがどうやってこの奇跡を起こしているか』なんだけど……これを見てちょうだい」

「これは……!」

資料の山の中からマギーが引き抜いた写真を見て、ほむらが目の色を変えた。

大型のポラロイドカメラで取られたとおぼしき、白黒写真だ。
画面の中央には精悍な顔つきの男性が写っており、手には金属的な光沢を持つ箱型の物体。
以前、図書館の地下でチャールズに見せてもらった古文書とまったく同じ物だった。

「これがジョセフ・スミスが魔法を操るために使ったとされる彼らの聖典、《モルモン教典》よ。
 当時の記録によれば、ジョセフ・スミスの失踪以降、どこかに失われたというのが彼らの見解だったけど――三ヶ月前、事情が変わった」

「三ヶ月前って、まさか……」

「そのまさかよ、ジョディ。元々彼らはそういうものだった。エネルギー資源を自ら採掘し、売買する企業。
 国からの許可さえあれば、彼らはホワイトハウスの入り口にだって百フィートの穴が掘れる」

「なるほど。資源採掘会社というは単なるポーズ……」

「実際はこの怪しげな本を探すための手段でしかなかったわけだ」

「そういうこと。まあ、その本自体はすでに彼らの手に落ちてしまったわけだけど――」

『■■■■■』

「おい、誰が事務所にいるんだ? ホムラかそれとも――マギー!?」

突如アルフィーが短い警告音を発し、キッチンカウンターに身を隠したかと思うと、何者かがキッチンに入ってきた。

がっちりと広い肩幅、野太い声。この事務所の本来の持ち主であるチャールズ・アーサーだった。
外回りに行っていたのか、着崩したワイシャツは汗でぐっしょりと濡れており、最近刈ったばかりの七分刈りにも砂埃が浮いている。


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