過去ログ - ほむら「アリゾナは」杏子「今日も暑い」
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◆2GQkBO2xQE
[sage]
2012/10/06(土) 10:28:11.96 ID:8zkiALdPo
ジョディから手渡された糸楊枝で歯をせせりながら杏子が言った。
杏子もほむらも職業柄として日々のエネルギー消費量は膨大であり、その食事もいたく太いが、
先ほどのランチは大の男ですら根を上げるような量だった。
しかし、その超徳用ランチセットを欠片も残さず食べ尽くし、パンのおかわりまで頼む杏子にアン婦人は大喜びだ。
ビリヤード台の上に積まれた籠いっぱいのバゲットは、彼女のほんの心付けである。
「まあ、そいつぁ宣伝料みたいなもんさね」
「宣伝料?」
杏子は不思議そうに訊ねた。
「ああ。昔はここらにだけ棲んでる珍しい生き物を調査するとかで、白衣の先生達とかがいたんだけどねえ。
そいつらがどうも消えちまったらしくて……まあ、うちももうお終いってことさね! うっひゃっひゃっひゃっ!」
洒落にならないことを馬鹿笑いしながら語るアンは、その『そいつら』のうちどちらが消えたのかと杏子が質問する前に、
空いた食器を持って厨房へと消えてしまった。
残された三人だけでは広すぎる店内には、天井に吊されたシーリングファンと、柱時計の振り子音、
厨房から流れる洗い物の音が響き渡っており、時たま吹き付ける強い横風が、家屋をがたがたと揺さぶっていた。
「……まさか、魔法少女だったとはね」
背後のコーヒーメーカーに置かれたケトルを取り、三杯分のコーヒーを用意しながらジョディが言った。
どうやらこの店はスパイククロー家の二人で切り盛りされているらしく、彼女の手付きは手慣れていたが、その胸は平坦だった。
「……そうね。私も驚いたわ。襲われる非がこちらにあったとはいえ、
非武装の民間人を礼装で攻撃するなんて魔法少女にあるまじきことよ。……あと、用が済んだら変身を解きなさい」
厨房と店内を仕切るカーテンを横目で見ながらほむらが言うと、ジョディは怪訝そうに眉をひそめた。
「レイソウ……? ……随分と聞き慣れない言葉を使うんだね。あと、この服は『e−bay』で買った自前のだよ」
「聞き慣れないって……魔法少女のジョーシキだろ、そんなの」
「そうなの? あたし、契約してから三ヶ月ぐらいしか経ってなくて、その辺はどうもさっぱりなんだ」
「担当のインキュベーターはなにをしているの? どうも姿が見えないようだけど」
三つ編みを弄りながら語るジョディに訊ねながらほむらは店内を見渡したが、
魔法少女を教導するべき白い獣の姿は、どこにも見当たらないようだった。
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