過去ログ - オッレルス「今日こそ、告白する」フィアンマ「…安価?」
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[saga]
2012/09/29(土) 17:04:35.84 ID:ZKWIApht0
オッレルス「つかれてなんかいないよ。きみのためなら、なんでもできるさ」
自分の意思で、やりたいと決めた事だから、疲労なんてほとんど無かった。
歩いた為に多少の疲れはあるものの、それは身体的疲労に過ぎず。
また、こうして迷惑でないかと問いかけてくる程の優しさに癒される為、精神的疲労や苦痛は無い。
オッレルスの発言に安堵し、疑う事無く、フィアンマははにかんだ。
フィアンマ「…あり、がとう」
オッレルス「わたしもたのしいから、いいんだ」
むしろ、他の子供と遊ぶ方が、オッレルスにとってはかえって気疲れする。
流石にそれは愚痴になってしまう為に言葉には出さず、オッレルスはぐっと呑み込んで立ち上がった。
好きな人の前では、なるべく格好良くありたいのだ。
手を差し出され、再びフィアンマが握って立ち上がるのを待ってから歩き出す。
目が見えない為におっかなびっくり進むフィアンマに、オッレルスはゆっくりとした歩調で合わせた。
このままどこか遠くへ行けたら良いのに、とオッレルスは思う。
習い事だとか、貴族らしさだとか、嫌な人付き合いだとか、全て放り出して、今こうして手を繋いでいる幸せの象徴<カレ>だけを連れて、どこか、誰も知らない遠くへ。
そんな事が到底出来る訳もないから、こうして諦める他無いのだけれど。
苺味のワッフルを頬張り、フィアンマは涼しい風に目を細めた。
フィアンマ「…ここちいいかぜだ」
オッレルス「そうだね」
フィアンマ「おっれるすのたんじょうびは、いつなんだ」
オッレルス「らいげつの―――」
自分をこんなにもお祝いしてくれたのだから、何かお祝いしたい、とフィアンマはぼやく。
けれど、お金は無いから、今日の様な一日は過ごせない。こういった食べ物は贈れない。
『私の花嫁になってください』と言いかけて、やめた。
大人になるまでに、誰か、知らない女が嫁いできて、自分は大人になるのだ。
子供ながらに、そうなる事は予想できていた。だから、オッレルスは夢を見ない。
フィアンマ「…そのたんじょうびまでに、なにか、おれさまができることをかんがえてくれ」
オッレルス「うん、ありがとう」
出来る範囲で何でもする、と言ってくれた。
その事自体は嬉しかったが、うっかり浮かべた夢想に、オッレルスは苦々しい表情を浮かべる。
ますます、家から抜け出したくなった。
午後五時にフィアンマを教会に送り届けてから別れ、オッレルスは帰宅した。
いつもの様に部屋に逃げ込もうとしたのだが、うっかりと捕まる。
父親「待ちなさい。話がある」
オッレルス「…なんですか、とうさん」
嫌な雰囲気だった。体裁ばかりを気にする父親を、オッレルスは嫌っていた。勿論、それに同調しないにしても、気弱で何も言えない母親も。
父親「婚約者の話だ」
オッレルス「…わたしはまだはっさいですよ」
家にお金が無い事は知っている。名前しかない。
だからきっと、金持ちの令嬢を連れて来るのだろう。この歳で婚約者が出来たところで、何ら嬉しくなかった。
相手方のお嬢さんだってきっと嬉しくはないだろうに、金と名誉の為に結婚させられるのだ。
父親「早い内にしておいた方が良いと思ったのだ。それに近頃、習い事をサボって何処に行っているんだ」
オッレルス「……、」
父親「その様な事では、この家を継いでもらう器として見合わなく思えてくる。お前は頭の良い子なのだから、現在の状況位わかっているだろう。今すぐという話ではないが、明日は外出禁止だ。婚約者のお嬢さんに会ってもらう。良いな」
オッレルス「…」
父親「…返事は」
オッレルス「…
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