過去ログ - オッレルス「今日こそ、告白する」フィアンマ「…安価?」
1- 20
93: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/09/30(日) 22:48:00.88 ID:Gm/Du8I00

オッレルス「古い、…古い話だ」

十年前、無理やり婚約者を決められた。
彼女には彼女で好きな人が居る。
だから、彼女を愛してなんかいない。
彼女もまた、自分を愛してなどいない。
十年前に自分が妻を持つ事は確約されていたが、嬉しさなどどこにもなかった。

全て話し、意図的に黙っていた訳ではないというアピールをしてみせた。
しかし、その語調から、震えた声から、本心は見え透いてしまっている。
フィアンマに離れて欲しくないから、黙っていたのだ。
気付いて欲しくないから、黙っていたのだ。

フィアンマは、言葉に出してオッレルスを責める様な真似はしなかった。
ただ、軽蔑の眼差しでオッレルスを見つめるだけ。
自分にも他人にも厳しく、そして優しく生真面目な彼は、オッレルスの状態を良く思えなかった。

フィアンマ「…俺様に割く時間を、今度から奥方に宛てろ」

オッレルス「…話を、聞いていたのか。俺は彼女の事なんて、」

フィアンマ「夫婦は向き合うものだ。…妻に浮気を許すなど、正気の沙汰じゃない」

愛は、作るもの。
そんな発言が出るのは、きっとフィアンマが恋を自覚していないから。
オッレルスにとって、愛とは作るものなんかじゃなかった。
気づいたら出来上がってしまっていて、逃げ出す事の出来ない甘い檻だった。
激昂してしまわないよう気をつけ、自分が悪いのだと言い聞かせ、オッレルスは弁解する。

オッレルス「…俺は、…俺にも、好きな人が、居るんだ。お互いに、家庭なんて放っている。どちらかといえば友人だ」

フィアンマ「……、」

今度こそフィアンマは言葉を失った。
しかし、坂道を転げ落ちるボールの様に、止められるかどうか、オッレルス自身わからない。

フィアンマ「…好きな、人」

オッレルスに、好きな人が居る。
彼に妻が居るのだと知った以上にズキズキと痛む胸を手で押さえることも忘れて、フィアンマは言葉の一部を復唱する。


告白してしまうか、嘘を重ねるか。

迷って悩んで、

オッレルス「>>94



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
111Res/96.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice