21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/09/28(金) 11:00:42.28 ID:egDxkjz6o
ハグリッドはパブを通り抜け、壁に囲まれた小さな中庭に一同を連れ出した。
ゴミ箱と雑草が二、三本生えてるだけの庭だ。
「あの人、いつもあんなに神経質なの?」さやかが聞いた。
「ああ、そうだ。哀れなものよ。秀才なんだが。
本を読んで研究しとった時はよかったんだが、
一年間実地に経験を積むちゅうことで休暇を取ってな……どうやら黒い森で吸血鬼に出会ったらしい。
その上鬼婆といやーなことがあったらしい……それ以来じゃ、人が変わってしもた。
生徒を怖がるわ、自分の教えてる科目にもビクつくわ……さてと、俺の傘はどこかな?」
吸血鬼に鬼婆ねえ……杏子は自分が知らない世界にいることを噛み締めた。
ハグリッドはといえば、ゴミ箱の上の壁のレンガを数えてる。
「三つ上がって……横に二つ……」
ブツブツ言っている。
「よしと。下がってろよ」
ハグリッドは傘の先で壁を三度叩いた。すると叩いたレンガが震え、次にクネクネと揺れた。
そして真ん中に小さな穴が現れたたかと思ったらそれはどんどん広がり、
次の瞬間、目の前に、ハグリッドでさえ十分に通れるほどのアーチ型の入口ができた。
そのむこうには石畳の通りが曲がりくねって先が見えなくなるまで続いていた。
「ダイアゴン横丁にようこそ」
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