56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/09/30(日) 12:42:10.03 ID:eSSveo1wo
老人は二人の杖を箱に戻し、茶色の紙で包みながら、まだブツブツと繰り返していた。
「不思議じゃ……不思議じゃ……」
「あのう。何がそんなに不思議なんですか」とまどかが聞いた。
「鹿目さん、佐倉さん。わしは自分の売った杖はすべて覚えておる。全部じゃ。
あなたたちの杖――柳と不死鳥の羽根十八センチ、柊と不死鳥の羽根二十八センチじゃが――
あなたたちの杖に入ってる不死鳥の羽根はな、同じ不死鳥が提供した尾羽根なのじゃ。
そしてその不死鳥がもう一枚だけ提供した。あなた方がこの杖を持つ運命にあったとは、不思議なことじゃ。兄弟羽根が……なんと兄弟杖がご両親を殺したというのに……」
杏子たちは息を飲んだ。
「さよう。三十四センチのイチイの木じゃった。こういうことが起こるとは、不思議なものじゃ。杖は持ち主の魔法使いを選ぶ。
そういうことじゃ……。鹿目さん、佐倉さん、あなた方はきっと偉大なことをなさるにちがいない……。
『名前を言ってはいけないあの人』もある意味では、偉大なことをしたわけじゃ……恐ろしいことじゃったが、偉大には違いない」
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