87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/01(月) 12:00:32.05 ID:n6SrTlTIo
杏子、ほむら、まどか、さやかの順に並び、部屋を出て再び玄関ホールに戻り、そこから二重扉を通って大広間に入った。
そこには、三人が夢にも見たことのない、不思議ですばらしい光景が広がっていた。
何千というろうそくが空中に浮かび、キラキラ輝く金色のお皿とゴブレットが置いてあった。
広間の上座にはもう一つ長いテーブルがあって、先生方が座っていた。
マクゴナガル先生は上座のテーブルのところまで一年生を引率し、上級生の方に顔を向け、先生方に背を向けるかっこうで、一列に並ばせた。
一年生を見つめる何百という顔が、ろうそくのチラチラする明かりで青白い提灯のように見えた。
その中に点々と、ゴーストが銀色のかすみのように光っていた。
みんなが見つめる視線から逃れるように、まどかが天井を見上げると、ビロードのような黒い空に星が点々と光っていた。
「本当の空に見えるように魔法がかけられているのよ。『ホグワーツの歴史』に書いてあったわ」
誰かがそう言うのが聞こえた。
そこに天井があるなんてとても思えない。大広間はまさに天井に向かって開いているように感じられた。
マクゴナガル先生が一年生の前に黙って四本足のスツールを置いたので、まどかは慌てて視線を戻した。
椅子の上には魔法使いのかぶるとんがり帽子が置かれた。この帽子ときたら、つぎはぎの、ボロボロで、とても汚らしかった。
もしかしたら帽子からウサギを出すのかな。あてずっぽうにまどかはそんなことを考えていたが、みんなが帽子をじっと見つめているのに気づいて、まどかも帽子を見た。
一瞬、広間は水を打ったように静かになった。すると、帽子がピクピクと動いた。つばのへりの破れ目が、まるで口のように開いて、帽子が歌い出した。
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