96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:09:38.36 ID:lh9psmHso
帽子が杏子の目の上に落ちる直前まで杏子が見ていたのは、広間中の人たちが首を伸ばして杏子をよく見ようとしている様子だった。
次の瞬間、杏子は帽子の内側の闇を見ていた。杏子はじっと待った。
「フーム」低い声が杏子の耳の中で聞こえた。
「むずかしい。非常にむずかしい。ふむ、勇気に満ちている。頭も悪くない。才能もある。
おう、なんと、なるほど……自分の力を試したいという素晴らしい欲望もある。いや、おもしろい……さて、どこに入れたものかな?」
杏子は椅子の縁を握りしめ、「スリザリンは嫌だ」とはっきり頭の中で言った。
「スリザリンは嫌なのかね?」小さな声が言った。
「確かかね? 君は偉大になれる可能性があるんだよ。そのすべては君の頭の中にある。
スリザリンに入れば間違いなく偉大になる道が開ける。嫌かね? よろしい、君がそう確信しているなら……むしろ、グリフィンドール!」
杏子は帽子が最後の言葉を広間全体に向かって叫ぶのを聞いた。帽子を脱ぎ、確かな足取りでグリフィンドールのテーブルに向かった。
割れるような歓声が杏子を包んでいた。マミの握手に応じた。さやかのハイタッチは無視した。さやかの隣に座った。
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