過去ログ - 安価で女装ギャルゲー風SS part6 -SS速報VIP

過去ログ - 安価で女装ギャルゲー風SS part6

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122: ◆EEWQeQ.ZIg[saga]
2012/10/01(月) 23:41:07.81 ID:Jm58iE5x0
1、自由行動「小さい頃、よく二人して共に迷子になった事。泣いた妹を何とか慰めたり何だかんだで貴方も泣いてしまったり……」

貴方「……そう言えば、私、小さい頃はよく歩き回る子だったんですよ」

眼鏡「……今だってそうじゃないの？」

貴方「そうですが、今以上に、です。色々な所に行くのが好きでした……思えばそれは、妹が引っ張っていったからだと思えます」

貴方は地平線より少し上の空を見ながら、昔の事を思い出す。
妹が貴方の手を引っ張り、貴方を連れて行った、その瞬間。

貴方「妹と、よく遊びに出掛けたんですよ。ええ、探検とか、探索、と言うやつです」

貴方「おかげで、新しい場所に行くと、探索する癖がついてしまいました……」

貴方「……小さい子供が二人では、行動範囲は限定されます。そこを超えると、迷子になるんです」

貴方「知らない場所に、最初はわくわくして、辺りが暗くなると、心細くなります」

貴方「恥ずかしい話ですが、泣いてしまったんです。泣いている妹を慰めている内に、私も、つい」

ただ、貴方はその涙の理由が、分からなかった気がする。
今思えば恐怖と、伝播する不安故の涙。

貴方「……なんとか、声は押し殺しましたが。えんえん泣く妹を引っ張って、記憶が知る限りの光景を遡って」

貴方「……その内、使用人が迎えに来てくれて。それでも私たちは、家に帰ってからもずっと泣いちゃいました」

貴方「でも、子供と言うのは学習するようで、全く学習しません。まあ、特に、妹が、ですが」

貴方「何度も妹に連れられ、迷子になり、泣いて、家に戻って。私はその内に慣れましたが、妹はずっと、泣いていました」

貴方「……でも、妹がそうして私を世界に出してくれたんです。妹が、教えてくれました」

貴方「思い出の場所が……増えました」

貴方が向かう思い出の場所は、いくつになっても遊びに出かけた妹との、迷いの歴史。
不思議な感情だ。懐かしく、面白く、寂しく、悲しく、楽しく。
過去と今が入り混じると、おかしな事になるものだ。

貴方「私は、明日、そこに行こうと思います」

眼鏡「……うん。行ってらっしゃい」

今まで黙っていた眼鏡が、口を開いた。

眼鏡「私は、帰ってくるのを、待っているから」

……あの頃は、無闇に歩き回り、いつの間にか帰ってきていた。
だけど、今は、帰らなければならない場所がある。戻ってくるのを待ってくれる人がいる。
家族とは違う、血の繋がらない赤の他人なのに。

貴方は

1、自由行動
2、貴方「帰ってきますよ」
3、貴方「遅くなるかもしれませんよ？」
4、貴方「じゃあ、早く帰らないといけませんね」

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