過去ログ - 安価で女装ギャルゲー風SS part6 -SS速報VIP

過去ログ - 安価で女装ギャルゲー風SS part6

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687: ◆EEWQeQ.ZIg[saga]
2012/10/11(木) 02:32:16.73 ID:5TP9gCW20
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｜眼鏡の部屋｜
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眼鏡は、ベッドの上で体育座りをしていた。

こうしていると、暖かい気分になる。心が小さくなる代わりに、暖かい。

眼鏡「……なんでよ」

一人、呟いた。

眼鏡「なんで、あと二日も待てないのよ……！」

眼鏡の誕生日の日。その日、眼鏡は、――に想いを告げるつもりだった。
自分の生まれた日だからとか、そう言うはなく。
単純に、テストが終わったその日だから。憂いなく、言えると思ったから。

だけど、それは、自分の嫉妬が齎した種によって、瓦解した。

襲い来る、口。容赦なく自分の口を塞ぎ、自由を奪うあの悪魔共。
――は、同じ事をしたのだ。
ただ一つ、口の中さえ侵した悪魔とは違う。

眼鏡は自分の唇に触れる。

眼鏡「……柔らかかった」

あの人の唇は、柔らかかった。たぶん、自分の物よりも。

眼鏡は、口を拭った袖を見る。
気付けば、そこにしゃぶり付いていた。赤ん坊が、乳母の乳を吸う光景に近しい。
ここに、彼はいない。何も無い、眼鏡が口を拭いた場所と言うだけ。
そうしていたら、――を感じられるような気がしただけ。

その満足感は、みじめさと引き換え。
追い返してしまった事に後悔しつつ、突然の口付けを思い出し恐怖しつつ、眼鏡はまた、涙を流す。

眼鏡「私だって、好きだよ、ばかあ……！」

眼鏡の弱い心は、油断によって決壊した。

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