過去ログ - 【微安価】久「麻雀を?」京太郎「ええ、教えてください」
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795: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/10/08(月) 00:36:02.76 ID:vQm+wtlQo

京太郎「いいんですって……俺もこういう役目、結構楽しんでますんで」

京太郎「なんか……こう、皆と同じ方向を目指せるって……それに関われるって、嬉しいじゃないっすか」

まこ「……」

まこ「……それじゃあ、言葉に甘えるとするかのう」

京太郎「先輩は咲のこと、励ましてやってください」

京太郎「最近結構大丈夫になってますけど……こういうの、初めてですし、緊張しているかもしれないんで」

まこ「おう、わかった」

まこ「まあ、後でわしも行くけぇ」

京太郎「じゃあ、部長を連れて……自販機のところぐらいにいます」


 それじゃあ、と背中越しに手を振る京太郎。

 いい後輩を持った。あとで何か奢ってやるか……そう思いつつ、まこは控え室へと向かう。

 碌に牌も触れず、やることは雑用が主。

 大きな部活の一年生ならそれも当然だろうが……総勢六名の小さな部活である。

 小さくても、やる事が減るかと言えば、あまりそうとも限らない。

 それだというのに顔色一つ悪くせず、弱音も吐かず、進んで雑用を行う京太郎の姿に――まこは大きな感動を抱いていた。

 女子の方の大会が終わって、来年の大会までのその間。

 自らの持てる技術を、すべて教えきってやろうと――そんな気分にさえなっている。

 実によくできた後輩である。

 それにしても――


まこ(少し無欲すぎる)


 そう、無欲すぎるのだ。

 先ほどのような例もあるが、どうにも目立つことを避けていると……そんな節まで見受けられる。

 ただ、だからと言ってそれがどうというわけではない。目立つのが嫌いな人間は、確かにいるだろう。

 それに、あのような、縁の下の力持ちのような役割を好む人間がいるというのも、はっきりと理解している。

 だが……どうにも何か引っかかる。

 実家が客商売で、色々な人間の顔を見て育っていたからかもしれない。若干の違和感があるのだ。

 杞憂だと思う。そして酷くつまらないと。どこからどう見ても、非の打ちどころがない後輩なのだ。

 非の打ちどころがない……それ故に――たとえば染め手を装っている風の河のような――漠然とした引っかかりを覚えたのだ。

 まあ、言っても自分は十年とそこそこしか生きていない小娘である。今まで出会ったことがないタイプというだけだろう。

 そう納得をつけ、まこは、脳裏をよぎったものを些細な問題だと……忘れることに決めた。


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