27: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/10/01(月) 02:31:33.16 ID:OoeWSQId0
第2話 魔法少女ともう一人の魔法使い
魔女の結界が砕けると、そこに広がっていたのは夕暮れ時を通り過ぎた暗闇で。
そしてその暗闇の中で、白い建物が明かりに照らされていた。それは病院。
この魔女は、病院をその巣として取り込もうとしていたのだ。
魔女は通常であれば結界から出る事は出来ない。
故に、不幸な人間が結界の中に迷い込みでもしない限り、魔女が直接人を害する事はまずないと言ってもいい。
だが、魔女は人を操りその心を蝕む。それは不安や猜疑心、そして絶望という形を成して人の心に去来する。
そしてその絶望に飲まれた者は、やがて遠からずその命を絶つこととなる。
故に魔女は人の天敵で、心身の弱った人間の多い病院に発生すれば、多くの犠牲を生みかねない。
だが、魔女は討たれた。それを討つべき魔法少女ではなく、突如として現れた謎の魔法使い、アクアによって。
兎にも角にも、危機はひとまず去ったのである。
「どーやら、ちょっとはまともな場所に出たみたいだね」
少女――アクアは、辺りの景色ぐるりと眺めながらそう言うと。
「……でも、やっぱりメモリアとは違うね」
と、小さな声で呟いた。
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