過去ログ - 魔法少女マテリアル☆まどか
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42: ◆HvWr2kWl99Dz[sagesaga]
2012/10/03(水) 13:37:20.93 ID:KNNecZwLo
「鴻上……プロダクション?」
「そ、要するにタレントをプロデュースしてる事務所、ってわけ」
その名刺には、確かに鴻上プロダクションという社名に加えて、なにやら男の名前らしいものが書かれていた。
けれど今のマミには、それ以上の情報はただの文字の羅列としてしか認識できていなかった。
呆然と目を見開いて、名刺と男の顔を交互に眺めるマミの様子に何がしかの手ごたえを得たのか
男は更に言葉を続けた。

「沢宮エリナちゃんって知ってる?」
沢宮エリナ。彼女はここ最近ブレイク中の高校生タレントである。
魔法少女の戦いに勤しむマミも、その名前くらいは知っていた。
曖昧に頷いたマミの様子に、更に男は笑みを深めて。
「あの子もうちのプロダクションの子でさ、こーやってスカウトされた子なわけよ。
 あ、そしてこれは俺の直感。君も絶対エリナちゃんみたいなアイドルになれるっ!」
指輪のはまった指先を突きつけ、自信たっぷりに男は告げた。
男の審美眼もあながち間違っているとも言えない。
マミのスタイルは女子中学生のそれというにはあまりにも大人びている。
それでいて、無駄に背ばかり高いということもない。
そして間違いなく、磨かずとも光る何かをその身の内に秘めている。
とは言えそれは、芸能の才などではなく戦う力だったのだが。

「そういうわけだからさ、俺の事務所と契約して、アイドルになってみない?」
困惑しきっているマミに、どこかキュゥべえのそれを思わせるような口調で男は告げた。
マミは思わず胸元を手で押さえ、どうにか返す言葉を捜しているようだった。
魔女と戦う運命を背負い、戦い続けた長い日々。
そんな日々に突然差し込んだ、光の差す場所への誘い。それを嬉しく思う気持ちも、確かにあった。
けれどそれを受けられるはずも無い、魔法少女という存在の重さを、マミは良く知っていた。

それでも、どうしても迷ってしまう。



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