6: ◆HvWr2kWl99Dz[sage saga]
2012/09/29(土) 01:29:16.92 ID:wzXOjhvP0
「なんだったんだろうね、今のは」
少女の声。
それは先ほどの三人のものと同じか、もしくはもっと幼いかもしれない声。
魔法少女同士の交錯の一部始終を見届けて、声の主は訝しげに呟いた。
「気がついたら変なトコに飛ばされてるし、おまけに妙なガキどもまで出てくるしさ。どーしたもんかね」
その口調は途方に暮れたようでもあり、そんな状況ですら楽しんでいるようでもあった。
「とりあえず、ちょっとちょっかい出してみるかな」
そう言うと、少女は肩にかけたバッグに手を差し入れ、小さな何かを取り出した。
包み紙に包まれたそれは所謂あめ玉という奴で。包み紙を解くと、綺麗な水色のあめ玉がころりと転げ出た。
それをひょいと口の中に放り込み、軽く噛み締めて、少女は不敵な笑みを浮かべた。
そして、今尚もがき続けるほむらの元へと歩き出すのだった。
「っ……こんなところでこんなこと、してる場合じゃないのに」
ほむらの表情は焦燥と苦悶に歪んでいた。
どれほどもがいてもマミによるリボンの戒めは解ける事は無く、この状況を打破する術を
今の彼女は何一つとして持ち合わせてはいなかった。
「巴マミが、ここまで性急に仕掛けてくるなんて……このままじゃ、まどかが」
脳裏に最悪の光景が浮かぶ。それを現実にさせるわけには行かない。
だが、焦る心と裏腹に、状況は一切の変化を許しはしない。
「随分と、面白い格好をしてるね、あんた」
それは少女の声で、唐突に投げかけられたその声にほむらは驚いたように、どうにか動く首を巡らせた。
辛うじて見えたその姿は、黒いローブを纏った小さな人影。その姿は、小柄なほむらよりもさらに小さい。
「っていうか、あんたらはこんなとこで何してるのさ。
急にこんなわけわかんないところにつれてこられて、こちとらめちゃくちゃ困ってるんだけど?」
その少女の放つ声には、興味深げな様子とどこか刺々しい感じが入り混じっていた。
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