61: ◆HvWr2kWl99Dz[saga]
2012/10/04(木) 16:28:37.84 ID:cUJNQNbAo
崩れたアクアの欠片が、別の形に再構成されていく。
それは質量保存を無視するかのように膨れ上がり、再び人の形を取った。
その形が定まっていくにつれ、光と魔力の奔流は収まっていく。そして遂に、一つ大きな炸裂と共に消失した。
後に残されていたのは、マミよりも少し背の高い少年の姿。
「あ………あぁ」
その少年は軽く辺りを眺めてから、呆然と立ち尽くすマミに小さく笑みかけて。
「はじめまして、ぼくはティトォ」
そう名乗るのだった。
そこは寂れたゲームセンター。今や訪れる人もなく、古びた筐体が寂しげに佇んでいる。
その中で唯一つ、光を放つ筐体があった。
三枚の液晶を抱えた、横長の筐体に備え付けられた長椅子に座っていた少女は
握っていたレバーから手を離すと、後ろに振り向き口を開いた。
「今のとんでもない魔力の波動、あんたの仕業?」
その赤い長髪を揺らし、好戦的な笑みを浮かべて、少女――佐倉杏子は問いかけた。
「いいえ、私にもわからないわ。……本当に、色々な事が起こるものね」
その声に、一つ小さな嘆息を漏らしてから、暁美ほむらは答えるのだった。
魔法少女マテリアル☆まどか 第2話
『魔法少女ともう一人の魔法使い』
―終―
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