247: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:40:51.38 ID:o8UuFjXM0
奉太郎「……はい、折木です」
える「あ、千反田です」
奉太郎「……なんだ、千反田か」
248: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:41:17.17 ID:o8UuFjXM0
奉太郎「去年……何かあったっけか」
俺はそう言い、カレンダーに目を移す。
今は四月……去年のこの時期は。
249: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:41:44.64 ID:o8UuFjXM0
奉太郎「なんだ、また人が足りないのか」
える「いえ、そういう訳では無いんです」
つまり、どういう事だ。
250: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:42:16.91 ID:o8UuFjXM0
える「それなんですが、その子はどうやら雛祭りを一度、外から見てみたいそうなんです」
える「それで私も、折木さんに傘を持って欲しかったので……」
える「少し、無理を頼んじゃったんです」
251: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:42:47.07 ID:o8UuFjXM0
なるほど、俺が傘を持つのを断らないと踏んで……そうしたのか。
まあ、確かにそこまでやられてしまっては断れない。
俺も外から一度、見ては見たかったが……貴重な体験としては雛に傘を差す方が当てはまるだろう。
252: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:43:16.25 ID:o8UuFjXM0
〜水梨神社〜
去年と似たような慌しさの中、準備が行われている。
俺はやはり、一人ストーブで温まりながらその時を待っていた。
253: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:43:49.06 ID:o8UuFjXM0
突如、気合の入った声が室内に響く。
どうやら時間が来た様だ、段取りは一緒の筈なので、俺はそのまま外に出る。
俺も傘を持ち、行列の中へと加わった。
254: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:44:14.80 ID:o8UuFjXM0
それに若干目を奪われる。
なんだか、何時間も見ていたい気がしたが……そんな俺の思いを無視し、行列は歩き出す。
いかんいかん、しっかりと役目をこなさねば。
255: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:44:44.99 ID:o8UuFjXM0
確か前の雛祭りの時は、本当に情けなく、ぼーっとしていたと思う。
里志や伊原にも声を掛けられるまで気付かなかった。
しかし今年は、俺の方が多分、先に気付いたくらいの感じがした。
256: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:45:10.45 ID:o8UuFjXM0
〜千反田家〜
える「お疲れ様でした」
奉太郎「そこまでの事じゃないさ」
257: ◆Oe72InN3/k
2012/10/09(火) 21:45:39.18 ID:o8UuFjXM0
える「ふふ、私も同じ事を思っていました」
奉太郎「なんだ、去年はそこまで駄目だったのか」
える「あ、いえ。 そういう事では無いですよ」
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