616: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:47:01.16 ID:82esDMmt0
奉太郎「……俺も気付けば出来ていたからな」
える「でも、私には全然出来そうに無いですよ」
奉太郎「うーん……」
617: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:47:28.52 ID:82esDMmt0
俺がそう言うと、千反田は若干焦りながら答える。
える「あ、そ、それとこれとは別です」
える「そんな事より、私にも教えてください」
618: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:47:56.83 ID:82esDMmt0
える「あの、失礼な事を聞いてもいいですか」
何だろう、わざわざ失礼な事と前置きしてまで聞くと言う事は、大分失礼な事なのだろうか。
える「折木さんって、教え方が上手い方では無いのでしょうか」
619: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:48:23.78 ID:82esDMmt0
奉太郎「……」
える「……よいしょ」
奉太郎「……」
620: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:48:49.29 ID:82esDMmt0
奉太郎「だから、こうやって……」
奉太郎「こうだ」
俺はそう言い、いつもの要領で千反田の手を動かした。
621: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:49:23.53 ID:82esDMmt0
奉太郎「だから、こう持って」
そう言い、俺は再び千反田の手を掴む。
その時、ふと千反田が俺の方に顔を向けた。
622: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:50:12.80 ID:82esDMmt0
奉太郎「す……すまんな」
そして千反田の手を離し、俺は自分の席へと腰を掛けた。
空気を変えるため、咳払いを一つすると、俺は千反田に話しかける。
623: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:50:40.93 ID:82esDMmt0
しかし、ペンは先程同様、床へと落ちて行った。
まあでも、さっきよりかは大分マシになっていた様に見える。
える「やはり、難しいですね」
624: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:51:06.76 ID:82esDMmt0
える「いいえ、それは違いますよ」
える「どんな些細な事でも、皆さんそれぞれ、得意な物や苦手な物があるんです」
奉太郎「……まあ、そうだな」
625: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:51:43.16 ID:82esDMmt0
える「……それでですね、先程のペン回しもそれに当てはまるんです」
える「どんな些細な事でも、それらはその人と言う物を表していると、私は思います」
える「誰しも、これだけは負けられない、と言うのがあると思うんです」
626: ◆Oe72InN3/k
2012/10/21(日) 18:52:14.54 ID:82esDMmt0
なるほど……確かに、そう言われればそうかもしれない。
奉太郎「つまり、お前の好奇心も……千反田と言う人間を表しているのか」
える「ええ、そうなりますね」
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