過去ログ - フィアンマ「…天使…?」垣根「それじゃ、安価旅行に洒落込むとしようぜ」
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◆2/3UkhVg4u1D
[sage saga]
2012/10/05(金) 00:00:44.23 ID:bUrjWsjA0
垣根「、…いいか、俺はあいつらを『食い物』にしたんだ。わかるか? 殺されてったあいつらを踏みにじって、俺は今ここに立ってる。もし俺が許されたら、俺はいつか必ずそれを『忘れちまう』。罪悪感が薄れれば必ずそうなる。俺だけじゃねぇ。誰でも、だ。現に、スクールの奴等や暗部の奴等はそうだった!」
喉元過ぎれば、熱さ忘れる。
つまり、垣根はそう言いたいのだ。
苦しい間は何があっても覚えていられる。
首を絞められている時に、相手の手を意識しない馬鹿は居ないだろう。
しかし、相手が首を絞めるのをやめ、手を離し、それから数年経過したら。
きっと、忘れてしまう。完全に忘れないにしても、記憶は薄れていってしまう。
垣根は今、罪の意識に苛まれているから、今まで殺してきた人間達の顔も、断末魔も、全て覚えていられる。
でも、もし。
ここでフィアンマに全てを吐露し、許しを得て、自分を赦してしまったら、忘れてしまう恐れが大きい。
苦しみを捨てて忘却するか、苦しみはそのままに記憶を保持するか、そのどちらかしか、成立しない。
そして垣根は、自分に優しくなかった。厳しかった。
自分が食い物にして、踏み台にして、階段した死体達の事を、怪我人達の事を、忘れてはいけないと思っている。
垣根「…確かに、お前が言う通り、許されるってのは忘れていい許可だって事じゃないんだろ。苦しんで、それでもそれを言い訳にしないで前向きに、誰かを助けて生きていければそれがいいってことなんだろ。俺には無理だ、」
幼い時分より、垣根は許された事が無い。
放られるか、憎まれるか、恐れられるか。
何か大変な事をしでかしても、それは須らくもみ消された。
それは許しではない。ただの忘却だ。無理やりに、現実を捻じ曲げただけ。
垣根「俺は、許されちゃいけない人種なんだよ」
格好悪いだとか、そんな事は何も思っていなくて。
思うがままに言葉が零れ出して、頬を透明な雫が流れていく。
垣根「俺が許されたら、殺されたヤツ等の事は、誰が覚えててやるんだよ」
赦して欲しいと思った事は、あった。
思い返せば確かにあったし、今もそうだが、それでも。
それは、許されていい理由にならない。
垣根「殺されたヤツ等の事を、誰が悔やんでやるんだ」
ごめんなさい。ゆるして。たすけて。
そう逃げ惑った子供を、手に入れたばかりに力で残忍に殺した。
人を殺す事が悪い事だなんて、まだ知らなかった頃。それでも、罪は重い。
垣根「あいつらの許しの言葉を却下するどころか、殺した俺が、…おれが、…どのツラ下げて、『赦して』なんて言えるんだよ…」
なぁ、教えてくれよ。
そう泣く垣根を見つめ、フィアンマはおもむろに立ち上がると、彼の横に回った。
そして彼を左腕で抱きしめ、目を伏せる。
フィアンマ「…急にどうこうとは言わん。…今日一日でお前が自分を許せるとも思わん。…だが、…そこまでの強い意思があるのなら、苦しみを軽減して自分を許し、その記憶を保持する事は出来る。……憐れな子だ、お前は」
哀れみという言葉を、垣根は今まで嫌ってきた。見下されている感じがしたからだ。
だが、今泣いている自分に向かってかけられている言葉も抱擁も、驕りは感じなかった。
本当に自分という、垣根帝督個人を助けてやりたいという想いを下地にした言葉の響きは、嫌味でなく、優しく響いた。
垣根は顔を上げられず、俯いたままぼろぼろと涙を流す。傷口に針が入ってしまったから、無理やり開いて取り出している様な、苦痛を伴う精神的作業だった。
フィアンマ「……お前はまだ自分を許せないだろうが、…許されてはいけない人間ではない。急な許しを得れば、確かにその罪過を忘却の彼方に追いやってしまいかもしれない。時間をかけよう。この旅が終わって、どちらかが死ぬ瞬間まで、手伝ってやる。……一緒に探してやる。お前が許され、且つ他人を苦しめた事実は忘れないで済む、救済方法を」
垣根「……
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