過去ログ - フィアンマ「…天使…?」垣根「それじゃ、安価旅行に洒落込むとしようぜ」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/10/08(月) 12:37:47.66 ID:C7IS9heJ0
まだ創ってあげていないから、フィアンマは隻腕で。
左腕しかなく、それでも怯えのままに抱きついてくる彼女を抱きしめ、抱きしめ返し、垣根は努めて優しい声音で言う。
垣根「…話すと案外楽になったりするぞ」
されたことがないから、というのは理由にならない。
人間性とは、想像力の問題なのだから。
垣根が幼い頃、悪夢を見た時にされたかったことをすれば良い。
フィアンマ「……、」
垣根「無理そうなら、夜中だってずっと起きて抱きしめて、手も握ってる。だから安心しろよ。お前の『恐いもの』から守ってやるから」
自分が傍に居る。
だから、もう怖い夢に怯えることはない。そんな夢は見させない。
そうきっぱりと宣言して、垣根はフィアンマの背中をさすりつつしっかりと抱きしめる。
こうして密着すればする程、如何に化物染みた力を持っていようと、自分と同じ歳の細い少女だということがよくわかった。
罪の意識から救ってやる、と言ってくれた時は、存在が大きなものに感じられたのだが。
フィアンマは垣根から離れることなく、やはり日本語で話す事に気が回らないのか、呟きを重ねるように話す。
フィアンマ「…恐ろしいものに追いかけられた。が、…足が固められていて、動けなかった。……助けてくれる人間など居なかったから、捕まれば死ぬのだろうと思ったのに、殺されず、……恐怖だけが満ちて、」
垣根「…」
肌の白さとはまた別の意味で非常に顔色が悪いフィアンマの髪を撫で、垣根は呆れた様にゆっくりと息を吐き出す。
垣根「助けてくれそうな人間なら一人居るだろうが」
フィアンマ「居ないさ。作らないように生きてきた」
垣根「俺はランク外か? ああ?」
フィアンマ「……」
目を瞬かせる彼女に、本当にランク外だったようだと垣根は肩を落とす。
垣根「…俺の事は救います助けます、でも俺様には何の助けもないっておかしいだろうが。お前が助けようと思ってる相手から助けてもらえるとか、思わない訳? 視野が狭いな」
何やら小っ恥ずかしい事を言ってしまっている、という自覚はありながらも、文句を告げる。
垣根「お前か俺が死ぬまで、俺の罪をどうにかしてくれるって言っただろ。なら、俺は俺が死なないように気をつけて、お前が死なないように守ってやる。ついでに、死ぬに限らず精神的やら身体的やら、色色とな。死ななくても再起不能になられちゃ困るしよ。サービスってやつだ、嬉しいだろ」
フィアンマ「……帝督」
垣根「急に名前呼ぶんじゃねえよ」
フィアンマ「お前は女にモテそうだな」
垣根「実際モテてた、ってそうじゃないだろ、真面目な話してるのにテメェは、」
フィアンマ「頼っても良いのか」
垣根「…
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