過去ログ - フィアンマ「…天使…?」垣根「それじゃ、安価旅行に洒落込むとしようぜ」
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980: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/11/06(火) 21:36:48.52 ID:BDIGyMug0

ぞわぞわ、と身体の奥が蠢く。
まるで別の何かを飼っているかのような。
吐き気にも似た悦楽に目を細め、垣根は銀の剣をインデックスへ投げる。
自動書記は『光を掲げる者』の象徴の一部である剣に反応するも、何かの術式で消し去った。
その間に、垣根帝督の変貌は終わりを告げる。
『神の如き者』によく似た、金色の髪と、赤色の瞳。
金に黒が混じった色合いの髪は、『光を掲げる者』だけでなく、『闇へ堕ちた者(ルシファー)』の象徴も混ざっている。
能力をも混ざったそれは、自動書記といえどそうそう推し量れるレベルのものではない。

「………」

少年は。
創られたばかりの科学と魔術の間の子―――『天使』は、薄く笑う。
右手の中に現出させたのは、かつて神の子へ死を与えた、十字教救世主の受難の象徴。
『所有するものに世界を制する力を与える』特性すら持ち合わせる、聖槍。
世界を全て掌握した垣根帝督にとって、それはもはや象徴だけではない。

「…第二三章第四節。『ロンギヌスの槍』を確認。材質を検索しています…検索不能、検索に失敗しました」
「……fxwjgzkqhis」

ありとあらゆる魔術防壁を貫く、必殺の槍。
具現化するにあたって未元物質が使われたそれへ、自動書記ですら対応出来ない。
神の子を一度殺した聖槍に、どうしてたかが魔術の毒を詰め込んだだけの図書館が太刀打ち出来ようか。

神へ逆らった大天使の手に握られた、神の子を殺した聖槍。

万物に対する反逆の存在。
神など認めない。神の子など認めない。
この手で確実に殺す。
神様とて構わずに殺すと言った彼の精神性が、よく現れている。

「…ihbf殺wq…」

呟いて、天使は槍を手に自動書記へ向かう。
自動書記の名の元になった福音書ごと、引き裂くように。


―――突き立てられた、聖槍。


「自動…書…記、の…破壊…ガ、…再…起…動、…できま…」

少女の喉を突き破った槍の細い切っ先は、彼女の『首輪』を破壊した。
槍を通じ、彼女の身体すら掌握している垣根は、唇を噛み締めて、傷口を塞ぐ為の演算を行い―――限界を迎え、その場に倒れた。
インデックスを見捨てて殺してしまう事は易かったが、垣根にとっての敵は『首輪』だった。
だから、『首輪』を殺した以上、少女を殺害する理由はなかったのだ。


(甘く、なっちまったもんだな)

ぼんやりと、思う。
かつて第一位と自分の前に立ち塞がった女のことを思い出した。
まったくもって理解出来なかったあの行動。今なら、わかる気がした。

(―――だけど、…俺は多分、こういった死に方がしたかったんだろう)

ぐらぐらと揺れる視界に目を閉じる。
そんな彼の体に。
まるで雪のように、残酷な―――かつて『上条当麻』を殺した羽が、降り注ぐ。
ひらひらと舞い、羽は美しく、垣根帝督を殺そうとしていた。
しかし、もう、彼は指の先のほんの少しだって、動かせはしなかった。
彼は気を失う直前、彼女のことを想った。



(…守り、きってやったぞ、…クソボケ、)







>>+2のコンマ一桁(23:54:40.12←この場合は『2』)で判定


0.7 奇跡的に羽が垣根の身体を避けて地面に落ちる


それ以外(1.2.3.4.5.6.8.9) 垣根帝督が記憶喪失となる


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