101: ◆IoH/Hpd1z6[sage]
2012/10/09(火) 16:39:37.34 ID:tIPCE70co
ステイルが何かをポケットから取り出す。
それはほんの小さな十字架のついたネックレスだった。
あれには見覚えがある、俺があれ何をしようと大丈夫だ。
「……これはあの子の記憶を[ピーーー]のに必要な道具だ」
ステイルは俺に近付いてその十字架をよく見せてくる。
「これは『魔術』の一品だよ。君が何なのかは知らない。しかしこれは簡単に壊すことは出来ない」
「でもね、どこかに放り投げたり、川に捨てたり、それを持って逃げることは可能だ」
「この子はそのうち頭痛で苦しみ出す。そんな風になる女の子の前でこれを僕から取り上げることが出来るか? これが無ければ彼女は死ぬ。自分にそんなに自信があるなら僕からこれを奪ってみろ!」
俺はもう迷わない。
「テメェからそれは奪わないし、奪うつもりもない」
右手をそっと十字架に向けて伸ばす。
「ただそれにちょっとばっかり壊れてもらうけどな」
右手が十字架に触れた瞬間、パキンという音がし、チェーンの部分がバラバラになり十字架が地面へと落ちる。
「な、なんてことをしてくれたんだ!!」
ステイルに胸ぐらを掴まれる。
「自信があるならこれを奪えってテメェがいったんだろうが。この十字架は俺がもらうぞ。奪わねえって言ったばっかで悪いけど」
十字架を拾い上げ、ポケットに入れる。
もしかしたらこれがあればオルソラのようにイギリス清教に関係を持てるかもしれない。
もしかしたらインデックスに関して協力しやすくなるかもしれない。
もしかしたら……、
そんな淡い幻想を抱いて。
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