過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」健夜「その１０だよ」【龍門渕】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」健夜「その１０だよ」【龍門渕】

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405: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/10/08(月) 01:31:22.70 ID:4wUjEZh00
京太郎「……」

……例えばここに住めば。

確かに清澄へ通うことは難しくなるが。

京太郎「……」ﾁﾗ

衣「？」

この、無垢に首を傾げる彼女が傍にいる。

どこに住むよりも長い時間、傍に居続けることが出来るんだ。

京太郎「……」

と、まあその程度の理由だけで俺には十分だったようで。

京太郎「……なら」

京太郎「これからもよろしくお願いします」

と、頭を下げた。

衣「やたっ！」

透華「……いいんですのね？」

京太郎「ええ」

透華「今までと違ってちゃんと仕事してもらいますわよ」

京太郎「勿論です」

……多分俺が想像している余地も大変なことだろう。

それでも、彼女がいるなら。

彼女がそこにいるなら。

……それだけで、十分だ。

透華「……わかりましたわ」

透華「お父様には私が話をつけておきますの」

京太郎「……ありがとうございます」

透華「可愛いいとこのためですわ。このくらいなんてことありませんの。それに――」

京太郎「……？」

透華「――やっぱりなんでもないですわ」

透華「それじゃ、これからもよろしくお願いしますの」

京太郎「……ええ、よろしくお願いします」

差し伸べられた彼女の手をぐ、と握った。

……こうして俺は、名実ともにこのお屋敷に住む人間となった。

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