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過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」健夜「その１０だよ」【龍門渕】

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81: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/10/07(日) 02:04:02.84 ID:AXFo5WMU0
京太郎「……」ｺｸﾘ

健夜「……そっか」

健夜「ううん、でもね。そんな長ったらしく回想に入ったりしないんだ。安心して」

健夜「ん～、それじゃ、いくね」

健夜「最初はね、勝てるだけで楽しかったの」

健夜「それが家族内でも、友人内でも、勝てるだけで楽しかったの」

健夜「でもね、どんどんと強くなっちゃって……あ、いやみなんかじゃないよ」

健夜「それで、相手がいなくなったから、もっと拮抗できる相手を探して大会に出たんだ」

健夜「気がついたら優勝していたよ」

健夜「それじゃ、こっちにはいるかな、こっちにもいるかなっていろんな大会に出て」

健夜「地区も全国も関係なく、いろんなところに出ていたんだ」

健夜「いつの間にか、日本有数の選手になってたよ」

健夜「そうなったらもうマスコミの引っ張りだこだよね」

健夜「テレビなんかにも呼ばれたりしてさ、手加減して打ちたくもない相手と打たされていたんだ」

健夜「接待なのか知らないけど、たまに無理やり負けるよう強要してきた時も会ったんだ」

健夜「その辺かな、麻雀がつまらない、って思い始めたの」

健夜「一度思っちゃったら止められなくてさ」

健夜「どんな大会に出ても、どんな番組に出ても、心がときめかなくなってきたんだよね」

健夜「それでも打たされていたんだ、無理やり」

健夜「そうなると更に嫌になってきてさ……まるで機械のように打ってきたよ、そのときは」

健夜「気がついたら日本代表になっている始末」

健夜「そのまま世界大会に出て……銀メダルを取って帰ってきたんだったかな？」

健夜「それで、終わり。もう強要されることもなくなってきた」

健夜「私自体は別に指導しなくてもそれだけの好成績を考えてくる。それを知った人たちはさ」

健夜「打ちたければ打てばいい、でもこちらは若手を教育する、だってさ」

健夜「そんなのこっちから願い下げだったから、別にもういいや、って一線を退いたんだよね」

健夜「電話番号を知られているから、今だってまだオファーの話は来たりもするけど」

健夜「でも、私はもう麻雀は打たない……打つとしても、自分からは絶対に打たない」

健夜「……そして、今に至るってこと」

水を飲んで、自分で注いで、もう一度飲んだ。

健夜「ね、どこにでもあるありふれた、くだらない話でしょ？」

彼女は、やはり自虐するように笑った。

健夜「どう、感想とかある？」

健夜「幻滅した？」

>>85
自由安価(白紙可)

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