過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」健夜「その１０だよ」【龍門渕】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」健夜「その１０だよ」【龍門渕】

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86: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/10/07(日) 02:18:57.15 ID:AXFo5WMU0
京太郎「……でも、俺たちと打ってるときは健夜さん、すっごく楽しそうでしたよ」

健夜「……さっき言わなかったかな」

健夜「少なくとも、今は楽しいって」

健夜「そ、楽しい、楽しいんだよ」

健夜「別に実力が拮抗しているわけでもないのにさ、すっごく楽しいんだよ」

健夜「何でだろうね、ふふ」

……彼女は答えをすでに理解しているような気がする。

そのような印象を与える含み笑いだった。

京太郎「……まあ、自由に出来るからじゃないですか？」

健夜「あはは、そうかも」

健夜「無駄に固くなったり、厳粛にしないで、自由気ままに出来るって言うのはいいことだよね」

健夜「でも、きっとそれだけじゃないんだ」

ほら、答えを知っていた。

健夜「……きっと、京太郎君のおかげだよ」

京太郎「……俺、ですか？」

健夜「一度張り付いたレッテルは変えられないからね」

健夜「畏怖、恐怖、憎悪、嫉妬」

健夜「大体はそんな感じだったかな」

健夜「そんな中、能天気に何度負けても私と麻雀を打ってくれる京太郎君がいてさ」

健夜「……だから私も昔のように楽しく打てたのかもしれない」

京太郎「……別に、俺はそんなつもりは無かったんですけどね」

健夜「それが京太郎君のよさなんじゃないかな、ふふ」

京太郎「……」

健夜「だから、さ。京太郎君」

健夜「私に笑顔を取りもどしてくれてありがとう」

健夜「私に麻雀を打つ楽しさを教えてくれてありがとう」

健夜「……」

健夜「好き、だよ。京太郎君」

呟くようなその声は、狙ったかのように俺の耳にまっすぐと届いた。

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