過去ログ - 削板「久し振りだな、百合子！」 -SS速報VIP

過去ログ - 削板「久し振りだな、百合子！」

↓ 1- 覧 板 20

263: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/01/26(土) 20:07:19.24 ID:/xPoVGn8o
さて、インデックスと一方通行がケーキ屋にいた頃の削板軍覇は、と言うと―

「うおおおおー！！！」

自室でのたうち回りながら謎の雄叫びを上げていた。

264: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/01/26(土) 20:11:43.84 ID:/xPoVGn8o
彼を奇行に走らせている原因は、言わずもがな、とある一人の少女だった。
一方通行が彼との関係について頭を悩ませているのと同様に、彼もまた彼女についてもやもやとした不安を膨らませていた。

（あんな顔させるつもりじゃなかったのに…）

以下略

265: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/01/26(土) 20:14:08.61 ID:/xPoVGn8o
「うおっ！」

彼がよく行く公園で息を白くさせながら気持ちのいい汗を流していたときのことである。突然植え込みの方から飛び出してくる人影があって、避け切れずにぶつかった。

「いたた…。」

以下略

266: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/01/26(土) 20:30:26.85 ID:/xPoVGn8o
「スキルアウトに絡まれちゃって、何とか逃げ切ろうとしたらこんなことに…。ホントごめんなさい！」

「いや、いいよ。スキルアウトは撒けたのか？」

「多分。」

以下略

267: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/01/26(土) 20:33:36.59 ID:/xPoVGn8o
「こんなんでよかったか？」

結局４回のチャレンジで２個の残念賞と、４等の商品券と５等のお菓子詰め合わせが１個ずつ、と削板は悪くない成績を残した。残り１回分は上条がガラガラを回したのだが、出てきた色付きの玉が勢いよく何処かに飛んでいってしまい見つからなくなるという見事な不幸属性を発揮した。結局何等だったか分からずじまいで、店の人の好意で残念賞のボックスティッシュを貰ったのだった。

「ホントありがとな。商品券でインデックスさんの食費が賄えますよ！！」

以下略

268: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/01/26(土) 20:39:13.67 ID:/xPoVGn8o
別に超能力者でも何でもなくていいから、彼女を救う力が欲しかった。クローンの少女たちを救おうとして、結果として一方通行を救うことにも成功した無能力者の青年が羨ましかった。
羨ましいといえば、打ち止めや番外個体だってそうである。他人を遠ざけようする彼女の心を解かすのは自分であって欲しいとそればかり考えていたのに、再会したときには彼女にはもう既にそんな存在がいた。
嫉妬だとか、羨望だとか、そんな当たり前の感情が自分にあるだなんて久しく忘れていた。

あの子といると、自分を小さく感じることばかりだ。

以下略

269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/26(土) 20:55:01.49 ID:/xPoVGn8o
「上条くんは珍しくもないけれど、君が患者としてくるのは珍しいね？」

冥土返しと呼ばれる医者は二人の少年を前に少し驚いたような表情を見せた。というのも削板は怪我人を運んできたり、患者ではないが結構この病院には来ることがあって顔見知りだったのである。

「俺の右手触っちゃって…。」

以下略

270:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/26(土) 21:20:48.74 ID:/xPoVGn8o
病院を出ると、もう日が暮れていた。
一端覧祭が終わって１２月になり、学園都市内もすっかりクリスマスムードである。暗くなると自動で点灯するイルミネーションがちかちかと輝いていた。

「じゃああくせられーた、今日はありがとね。」

以下略

271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/26(土) 21:36:25.28 ID:/xPoVGn8o
「もっと前に気づけてたら良かったンだけどな。」

「いいじゃないか、今からだって。今度俺が怪我したとき、やって見せてくれよ。」

そう言うと彼女は悲しそうな顔を見せた。またこんな顔をさせてしまった。どうやったら彼女の悩みや苦しみを取り除けるのだろう。そればかり考えているのに、結局は自分のしたいようにしか行動できていない気がする。

以下略

272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/26(土) 21:46:38.41 ID:/xPoVGn8o
「俺はお前と一緒に過ごせない未来なんて考えられないよ。」

自分だってそうだ。だけど、それだけじゃ怖いのだ。また失ってしまいそうで、壊してしまいそうで、側にいたい気持ちより苦しい気持ちの方が勝る。そうやって彼から逃げて、逃げた先にはあの実験があった。

「どうしてとか、何でとか訊かれても俺だって分からない。」

以下略

273:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/26(土) 22:18:20.55 ID:/xPoVGn8o
「俺はお前に大怪我させられたときより、お前がいなくなったときの方がずっと辛かったよ。」

彼女ははっと顔を上げた。彼と目線が合って、息が詰まるかと思った。喉が渇いて、口がはくはくと覚束なくて、目頭がつんと痛む。
もしかしたらずっと、この言葉を待っていたのかもしれない。そう思ったら、泣き出してしまいそうだった。そしてふと、自分に涙を流すという機能が残っていたことに気付いた。

以下略

1002Res/972.27 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ