過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」健夜（第三）「真の10！」【龍門渕→鶴賀】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」健夜（第三）「真の10！」【龍門渕→鶴賀】

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67: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/10/10(水) 18:23:21.22 ID:dnlu4Hal0
京太郎「……まあ、しがない一軒家ですけどね」

衣「いいや、二人で末永く暮らすにはそれくらいが丁度いいさ」

衣「――な、京太郎」

京太郎「はい」

衣「衣の約束を守ってくれてありがとう」

……衣と一緒にいてくれるか？……と。

彼女と交わした約束。

京太郎「……当然ですよ」

京太郎「俺が愛しているのは衣さんだけですから」

職を持たず、大学にも行かず。

ただ俺は彼女の隣にいた。

それを嘆く親はもういない。

それを嘆く友人は遠くへ行ってしまった。

衣「……これからも」

衣「これからも一緒に居てくれるか？」

京太郎「当然です」

衣「そか」

そして、その生き方を変えるつもりはなかった。

必要最低限のお金だけを適当にためて、あとは二人で仲良く、静かに暮らしていく。

――そうして、壊れていく。

衣「……よし、決心がついた」

京太郎「行く？」

衣「ああ」

京太郎「……この屋敷、無人のまま放置していいのか？」

衣「透華に伝えたら、きっと透華の父親が壊してくれるさ」

衣「結局、あいつはいつまでも私を疎んでいたからな」

京太郎「……」

衣「そうでなくても、子供の遊び場にはなるだろう」

京太郎「……だな」

社会に出ず、閉じこもって二人きりでいた。

だから、こうして、二人だけで解決することが出来ない。

常識の欠如している俺達、果たしてこの中でしっかりと生きていけるのだろうか。

……いや、生きていけないとしても――。

衣「……さあ、行こう、京太郎」

京太郎「……ええ」

――彼女が隣にいるのならば。

それで構わない。

そうして、壊れていく。

そうして、そうして、俺も彼女も、世界から切り離されていった。

～ED『いつまでも隣にいてくれますか？』～

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