過去ログ - 【ゆるゆり】撫子「大室家の短編集」花子「だし!」
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966:1 ◆Y79ev7DOE0Zd[saga sage]
2014/03/26(水) 23:04:21.69 ID:OnxFc4Sbo
第474話 パラレルワールド 1

私は元の世界に戻ってきたようだ。しかし、あまりにも突然の出来事でショックを隠せない。
しばらく近くの公園のベンチで項垂れていた。
1時間、いや30分くらいかもしれない。私を心配して藍が駆けつけてくれた。

藍「撫子!!」ハァハァ

撫子「藍……」

藍「どうしたの!!」ハァハァ

紛れもない。私の元いた世界の三輪藍だ。

撫子「藍ーーーーーー!!!!」

藍「撫子!?」

藍に泣きついた。藍は何も言わずにしばらく私のことを抱きしめてくれた。この温もりは間違いなく私の恋人である三輪藍だ。
しばらく泣くと、落ち着いた。

藍「撫子? 大丈夫? なにがあったの?」

撫子「藍、今から私の言うこと聞いてくれる? 私のことおかしいって思わないでくれる?」

藍「うん。いいよ。というか、こんな状況になってること、説明してほしいし」

撫子「私ね。藍を送っていったあと、倒れて別の世界に行ってたの」

藍「……別の世界?」

撫子「うん、信じられないと思うけど、その世界では、藍やめぐみの性格が反対で、というか私に関わる人の性格が反対で……」

おおよそ、今までのあらすじを語り終えた。藍は、意外にも真剣に聞いていてくれた。

撫子「どう? 私の話、信じられないでしょ?」

藍「ごめん、聞いた限りだと夢なんじゃないかなと思っちゃう」

撫子「まぁそうだよね」

藍「でも、そっちの世界の櫻子ちゃんと向日葵ちゃん、花子ちゃんはそれぞれ幸せになれたみたいだし。だから、撫子は帰ってこれたんだと

思うよ」

藍とめぐみが美穂をいじめていて、それで美穂が不登校になった話はどうしても言えなかった。

撫子「うん、そうだね」

藍「大丈夫? 1人で帰れる? 送っていこっか?」

撫子「大丈夫だよ。心配かけてごめん」

藍「いいんだって心配かけても。だって私は撫子の恋人なんだから」

撫子「ありがとう。じゃあ」

藍「うん、気をつけてね」

こっちの藍には本当に助けられた。
こっち……元の世界。あれだけ帰りたがっていたのに、こっちに帰りたかったがために向こうの世界を変えようと思っていたのに……
いつの間にか、それは手段ではなく目的に変わってしまっていたようだ。
もうあの世界には私は関与できないのだろうか? そう考えながら帰っていると後ろから声がかかった。

美穂「撫子」

撫子「え!?」

びっくりした。次になぜ美穂がここに? と思い、そして、向こうの世界の美穂のことが頭をよぎり申し訳ないような感覚に陥った。

美穂「それは、撫子のせいじゃないよ」

撫子「え……美穂……」

美穂「行ってきたんでしょ? あの世界に」


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