過去ログ - 一方通行「俺を、殺しに来たのか」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/10/12(金) 20:40:50.31 ID:Elj7+hup0

 一方通行が自らの手で、日常というものを取り戻してからほんの少し経った頃の出来事だった。







  「・・・・ンだこりゃァ、生きてンのか?」

 ぽつりと漏れた疑問に答えてくれる優しい人間はいるはずもなく、自問に近いものだった。

 自分の、正確にはとある教師兼警備員のマンションの玄関前に二人の少女が倒れていた。

 伏せられた目元が時折ぴくぴく動いて、端正であろう顔立ちがわずかに身じろぎしている。
 揺さぶって起こしてやりたいところであったが、一方通行の手は今日の晩御飯の食材と杖とで塞がっておりこうやって鋭く見下ろすことしか出来なかった。

 日当たりがいい太陽光線に弱そうな真っ白な肌に色素を抜かれた、細めの真っ白な毛色の髪が頬にかかりくすぐったそうにしていた。
 厚手のセーターから出ている指先が袖を掴んでいたり、くちゅんという緊張感の欠片もない可愛いくしゃみはやっぱり年相応な幼げであり可愛らしい姿でもあった。

 一方、もう一人の少女は眉をしかめて歯ぎしりをしながら寝言らしきことを吐いていた。
 はっきりは聞こえなかったものの、顔つきに似合わない物騒な言葉だったようにも思う。
 そしてセーラー服のプリーツをくしゃくしゃにして、白磁の肌からちらちら生足が覗いている。しかも口を開けて、色気もなく眠っているようだが手でも差し出したら今にも噛みつきそうだった。

 同じ顔つきをしていながら、全く正反対の印象を持った少女。

 そんな二人が何故、一方通行の住んでいるマンションの前で眠っているのか。

 いや、まずそれ以前に。




  「・・・・・・・俺と同じ顔で、なンつゥ恰好してやがンだこいつら」





 どうして彼女らは自分と同じ顔をして、こんなところにいる?

 疑問が尽きないまま、今までの経験上間違いなくこれら二人の少女は一方通行をとんでもない厄介ごとに巻き込むことになるだろう、と。

 今は深く考えないまままずはこの二人の少女をこの場で叩き起こすか、風邪を引くまで放置するか、それとも最悪家に連れ込むか。

 結果が出るのにおよそ1分足らず。能力の無駄遣いとわかっていながら少女二人の首根っこを掴んで。

 半分以上八つ当たりで、扉を蹴り飛ばした。





 一体、どこを間違えたらこんなことになるのか。










 そこに行き着く前に、まずはその経緯を辿ってみることにした。
















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