過去ログ - 【テニヌ】京ちゃんが安価で最強チームを結成するそうです【マージャヌ】
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)[saga]
2012/10/15(月) 00:04:22.26 ID:TWN1+SYao

地面に溜まった熱が体育の時間の小学生のように背伸びして足首を焦がしてくる。

長々と西空に居座る太陽は、あれの前世は飲み会から帰るタイミングを逸するサラリーマンだったに違いない。
目に優しいだけが売りの緑に染まった風景はつまり遮蔽物になるようなものがまったくないということで、
コンスタンティノープルを囲むオスマン軍みたいに聳える山々はそろそろ消化試合になっていいはずの夏を引き立てる書き割りだ。

ファールで粘る嫌らしい二番打者のように居座り続ける夏色が上昇気流に乗ってひゅるひゅると高いところまで登っていって、
そんな空には気の利いた雲のひとつもなく、粗の目立つアスファルトを往く須賀京太郎のクリスマスの夜にしかも非番だというのに
テロリストに遭遇した刑事みたいな顔はだから酷くこの場にそぐわなく、隣を歩く宮永咲の口元を苦笑に彩らせる。


京太郎「結局押し切られた……」

咲「あはは、部長と染谷先輩に口で勝つなんて無理だよ」

京太郎「ですよねー」


京太郎としても最大限の反抗は試みた。

1カ月後の閉園が決まった動物園のような寒々しい有様ではあったが懸命の抗弁を続け、
しかしそれは彼の足元に撮った覚えのない愛カピバラの写真がわざとらしく落とされたことで終焉を迎えたのだ。

ちくしょうめ、ギャングのやり口だろこれ。
現実に打ちのめされ倒れそうになってもきっと前を見て歩く京太郎はDream Fighter。


咲「でも京ちゃんのことを考えてって、全面的に嘘ってわけじゃないんじゃないかな。
　　部長たちがエントリーしてくれなかったら、京ちゃん絶対に辞退しちゃってたでしょ？」

京太郎「まぁなァ。俺の実力で『男女混合試合開催！　ただし男子はお前だけな！　みたいなっ！』
　　　　　って大会に参加したとは思えん」


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