過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」桃子「その11っす！」【鶴賀】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」桃子「その11っす！」【鶴賀】

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594: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/10/19(金) 23:33:39.00 ID:Ti8nrOi30
京太郎「……しょうがないですね、とりあえずこのロッカーに入ってください」

智美「……え、ロッカー？」

京太郎「ええ、ロッカー」

智美「わ、ワハハ」

智美「……男子と私はまだそういう仲じゃないぞ？」

京太郎「蒲原先輩はロッカーにどんな幻想を抱いているんですか」

というか、どうして俺も入ることになっているんだ。

京太郎「ほら、この前と同じ場所だとばれるかもしれないじゃないですか」

智美「……まあそうだけど」

京太郎「ほら、早く早く。加治木先輩が来てしまいます」

智美「わ、わ、押さなくても大丈夫だぞー！」

ぎゅうぎゅうと彼女を押し込んで、ばたんとロッカーを閉めた。

それから――ちょっと経って、加治木先輩がやってくる。

ゆみ「なぁ、須賀――」

ゆみ「――何をやっているんだ君は」

京太郎「このロッカーを推せばいつか隣の教室にいけるんじゃないかなって」

ゆみ「急がば回れ」

京太郎「急ぎじゃないんで回りません」

ゆみ「……ああ、そう」

と、そんなわけで、彼女の目にはロッカーを押す俺の姿が見える。

……なんていうか、もうばればれな格好だった。

ゆみ「……一応聞こう、蒲原を見なかったか？」

京太郎「いえ」

ゆみ「そうか、どいてくれ」

京太郎「……ですよねー」

この怪しさ満点のロッカーをあけずして、確かに外へは出られないだろう。

……なんていうか、もう見つけてくださいといっているようなもんじゃないか。

ゆみ「……はぁ」

加治木先輩は溜息を一つついてそのロッカーを開いた。

ゆみ「……」

ゆみ「……なんだ、誰もいないじゃないか」

京太郎「だから押してただけって言ってるじゃないですか」

ゆみ「……」

ゆみ「……まあいい、蒲原に出会ったら後で覚えておけ、といっておいてくれ」

京太郎「わかりました」

ゆみ「それじゃ、また」

と、加治木先輩は教室から出て行った。

……果たして。

隣のロッカーにいることがばれていたのか、ばれていないのか。

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