過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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132:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:09:29.39 ID:FW+Jr7MZ0
無数の棘がついたつたに囲まれ、彼女は起き上がろうとして、
ビリビリと病院服のすそが破れたのを見て、舌打ちをした。

「……攻撃性が強すぎる」

『それが痴呆症の特徴だ。理性の部分のタガが外れてるからな』

「寒い……」

肩を抱いた汀の頭上、そこからプシュッ、と言う音がした。

良く見るとそこは広いビニールハウスで、
天井にはスプリンクラーがついている。

そこから、勢い良く血液が噴出した。

たちまち豪雨となり、痛いくらいに汀の体を、
生臭くて生ぬるいモノが打ち付ける。

たまらず、汀は足を踏み出して、
薔薇の棘で全身を切り刻まれるのも構わず、走り出した。


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