過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:47:09.68 ID:Xp8Q5vyA0
★Karte.1 劣等感の階段★

「……と言うことで、旦那様は一命を取り留めました」

眼鏡をかけた、中肉中背の青年が、柔和な表情でそう言った。

それを聞いた女性が、一瞬ハッとした後、両手で顔を覆って泣き崩れる。

「主人は……」

少しの間静寂が辺りを包み、彼女はかすれた声で続けた。

「主人は、何を失くしたのですか……?」

「視力です」

何でもないことのように、青年はそう言ってカルテに何事かを書き込んだ。


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