過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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488:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:05:00.33 ID:byJxhkJD0
汀は、壁を這っている小さな蜘蛛を、ぼんやりと見ていた。

どこから入り込んだのか、一センチくらいの茶色い蜘蛛が、
一生懸命のぼろうとしている。

以下略



489:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:05:50.42 ID:byJxhkJD0
「どうした?」

扉を開けて圭介が入ってくる。

汀は小さく咳をしてから、手と壁をティッシュで拭いて、
以下略



490:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:06:26.41 ID:byJxhkJD0
しかし汀は、それを一瞥しようともせずに、ぼんやりと繰り返した。

「お外に行こうよ……何か食べに行こ」

「今の体調と、この天気じゃ無理だ」
以下略



491:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:07:01.71 ID:byJxhkJD0
「え?」

汀はきょとんとして圭介を見た。

「でも、マインドスイーパーは、先入観をなくすために、
以下略



492:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:09:01.58 ID:byJxhkJD0

★Karte.7 ジグザグパズル★

「へぇ、あなたがねぇ。マインドスイーパーっていうのかい。
小さいのに、たいしたもんだねぇ」
以下略



493:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:09:43.09 ID:byJxhkJD0
かばんの中から飴を取り出し、二つも三つも汀の手に握らせる老婆。

温かい言葉と行為の攻撃に、汀はついていくことが出来ずに、
圭介に困った視線を送った。

以下略



494:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:10:26.60 ID:byJxhkJD0
「は、はぁ……」

「何歳なんだい? 髪は染めてるのかい?
駄目だよ、小さい頃に染めたら、髪が痛んじまうよ」

以下略



495:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:11:26.32 ID:byJxhkJD0
「ええ、そうなのよ。赤十字病院に行ったら、
自殺病の第一段階初期とか言われて、もう困っちゃうわぁ」

「だ、第一段階初期……?」

以下略



496:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:12:09.57 ID:byJxhkJD0
「は、はぁ……」

「よく聞いてみたら、
ここの病院が一番スッキリ取り除いてくれるっていう話じゃないの。
少し遠かったけど、来てみたっていうわけ。
以下略



497:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:13:03.78 ID:byJxhkJD0
「まぁそう言うな。息抜きも大事な仕事のうちだ。
それより、お前の見立てではどうだ、『汀先生』?」

問いかけられ、汀は手元の資料に目を落とし、
右手で器用にめくりながら言った。
以下略



498:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:13:44.19 ID:byJxhkJD0
「でも……自覚症状がないんでしたら、
放置していても問題はないと思いますけど……」

汀はボソボソとそう返すと、息をついた。

以下略



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