過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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548:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:46:00.13 ID:byJxhkJD0
圭介が顔を上げ、意外そうな顔をする。

老婆は、しかしにこやかな顔のまま、汀の手にのど飴を握らせた。

「あのねぇ、汀ちゃん」
以下略



549:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:46:36.45 ID:byJxhkJD0
「これ……」

汀は呟いて、そして写真を受け取った。

「これはね、交通事故で死んだ、私の息子が撮ってくれた写真なのよ。
以下略



550:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:47:09.98 ID:byJxhkJD0
「どうして……?」

汀は首をかしげてそう聞いた。

「思い出がなくなったんですよ……怖くないんですか?
以下略



551:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:47:36.57 ID:byJxhkJD0
「汀ちゃん」

老婆はそう言うと、彼女の肩を叩いて、そっと撫でた。

「大事なのは、『今』じゃないかしら」
以下略



552:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:48:11.95 ID:byJxhkJD0
「過去の記憶がなくなっても、大事なのは今、
何をして、これからどこに行くかなんじゃないかしら。
私は、あなたに自殺病を治療してもらったわ。
これで、心配なく『明日』に向かうことが出来るわ」

以下略



553:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:48:49.89 ID:byJxhkJD0


「『機関』は、ナンバーズをどれだけ所持している?」

圭介は、汀が寝静まった夜中、携帯電話に向けて重い口を開いた。
以下略



554:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:49:29.66 ID:byJxhkJD0
「お前が、剥きさらしの場所に番号を設置するからだ。
ふざけるなよ……!」

押し殺した声で低く言った圭介に笑い声を返し、
電話口の向こうの男は、軽く言った。
以下略



555:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:50:01.87 ID:byJxhkJD0
「何……?」

『詳細までは分からないよ。
ただ、その人数だけは情報として提供できるかな』

以下略



556:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:50:28.55 ID:byJxhkJD0
「機関には、しかるべき贖罪をさせなければいけない。
それに……汀にもな」

『そうだね。それが僕達に与えられたカルマなら、
仕方のないことなのかもしれないね』
以下略



557:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:51:04.71 ID:byJxhkJD0


汀はびっくりドンキーのいつもの席で、
ぼんやりとした表情のまま、膝の上の小白を撫でていた。

以下略



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