過去ログ - 【咲】ハギヨシ「有給休暇……でございますか」純「ついに１０日目かよ」【安価スレ】
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222:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/10/18(木) 00:19:19.15 ID:VEykeqjC0

少女の嗚咽を運んだ電子の波は、同時に何かあたたかいものを、私の心の臓まで運んできた。

『それ』は私の庇護欲を訴えかけた。
彼女を守りたいとそう思わせた。

『それ』は私の使命感を揺さぶった。
半端な男では彼女に釣り合えないのだと、生長を決心させられた。

『それ』は私の罪悪感に突き刺さった。
私は彼女を、一度は贄にしようとしたのだと、改めて実感させられた。

『それ』は私の醜い劣情を呼び起こした。
彼女の頭の頂点から爪先まで、己が所有物にしてしまいたいという欲望を、暴き立てた。

『それ』らはきっとすべてをひっくるめて――――愛という感情の走りなのだろうと、私は思った。


「それでは、今言った場所で。１０時にお会いしましょう」


私は、選んだ。
弘世菫を選んだ。
この、強くも弱い、気高く美しい少女を選んだ。


『はい……！』


弘世菫を選んで――――三尋木咏を選ばなかった。


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