過去ログ - 【咲】ハギヨシ「有給休暇……でございますか」純「ついに１０日目かよ」【安価スレ】
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616:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/10/20(土) 16:40:29.70 ID:VtpGff/b0

〈イブの朝、ハギヨシからの連絡を待つ菫〉


昨夜は一睡もできなかった――


「……ん、んん」


などというありきたりな精神的ハプニングは、自分でも不思議なことだが私の身には起こらなかった。
風呂上がりに一杯のホットミルクを飲み干して、ベッドについたらすぐ熟睡。
目を閉じ開けたら明けていた。
弘世菫にとっての勝負の朝は、大げさではなくそんな感じで始まったのだ。

朝食をとる。
シャワーを浴びる。
歯を磨く。
櫛を入れて鏡と睨み合い、一つ頷き自室に戻る。
机の上で充電中の携帯電話を一瞥してから、ベッドに腰掛け天井を見上げた。


「はぁ、ふ」


炭酸ジュースから抜けていく気のような声が、喉と舌の隙間からこぼれて消えた。
想い人からのお誘いを待つ身の女として、果たして正解のアクションなのかどうか。
憂いを帯びたため息というよりは、間の抜けきった欠伸そのものだった。

脳裏を過ぎては戻り、戻っては過ぎる二つの顔。
この二カ月の間に知り合い、大好きになった二人の大人。
萩原さんと――――咏さん。


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