過去ログ - 【咲】ハギヨシ「有給休暇……でございますか」純「ついに10日目かよ」【安価スレ】
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950:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/10/22(月) 23:35:52.33 ID:sF2MVhbm0

巨大な玄関ホールの扉を開けた瞬間、万雷。
万雷の拍手が私たちを包みこんだ。

最初に腰に走った衝撃の正体は、頭から突撃しなさった衣様。
「土産はどうした」との第一声に、旅行鞄の中の、残った品を全て差し出す。
途端愛らしく稚い笑みがほとばしり、豪奢な金髪が左右に揺れた。

指笛を鳴らした井上さんが、菫さんに歩み寄って肩を抱き寄せた。
いつの間にやら親交を深めていたようだ――――と思っていたら、お次は私の頭をはたいてきた。

沢村さんは相変わらず控えめな位置に陣取って、しかしデジタルカメラをパシャパシャと鳴らし続けている。
あとであのメモリは没収した方が良さそうですね。
特に菫さんに向けたアングルのショットは一枚残らず……ごほんごほん。

眼前で花束が弾け、中から十数羽の白鳩が広いホールを舞った。
封印したはずのイリュージョンを、満面の笑みで解き放った国広さんの表情は、甲高い興奮に輝いている。


「おかえりなさい、ハギヨシ」

「よく帰った、萩原」


そして、最奥。

エントランス正面の階段の、そのまた最上段からゆっくりと降りてくる一組の親子。
こみ上げる憎しみは留まるところを知らず、湧き上がる愛しさは天の高みを突く。
自然私は跪き、憂いを帯びた微笑みを、やんわりと浮かべたお嬢様の、尊い御手を取って口づけた。

この口づけが最後になるかどうかは――――これからの私の、たったの一言で、決せられるのだ。


「申し上げます、お嬢様、旦那様」



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