過去ログ - まどか「杏子ちゃん、それはちょっと食べすぎじゃない……?」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/10/17(水) 22:46:20.06 ID:H5ulddQSo
 わたしの名前は鹿目まどか。見滝原中学校に通うごく普通の女の子です。
 今、わたしは学校から帰っている所なんですが、いつもなら親友のさやかちゃんや仁美ちゃんと一緒に帰っているんですけど、
今日に限って皆に用事があって、わたしは一人で帰るしかなかったのでした。

「はあ〜あ……、さやかちゃんに仁美ちゃん……わたしと違ってする事が有って良いなあ……」

 わたしには、習い事もなければ特にする事もなかったので、二人がいない時はこうして一人寂しくお家に帰るしかなかったのです。

「はあ……、私も何かやらないとダメダメになっちゃうよね……」

 このままだとわたしは、自分が何も産み出さないダメな大人になるのかなあとか、そんな事を考えながら歩いていました。

「危ないぞーーーー!」

「いやあああああ!!」

 周りからわたしの方に向かって大きな叫び声が聞こえるなあと、のんきな事を思っていたら、わたしの横からブォーンと鳴り響く
大きなクラクションと、キキーっという急ブレーキの音と共に、トラックがわたしに向かっているのを目の当たりにしました。

「…………えっ?」

(嘘……、嫌……死にたくない……!!!)

 もうダメだと思ったその時、わたしは誰かに抱えられて物凄く高く飛び上がり、
何の怪我も無く横断歩道を渡った先の地面に着地して助かりました。

「おいおい、大丈夫かい?」

「え? えと……その……」

 わたしを抱きかかえているその子は、燃え盛る様な赤いポニーテールの髪と、
強い意思の宿っていそうな瞳を持ったカッコイイ女の子でした。
 そんな彼女を前にしてオドオドしていたわたしに、女の子は現実を突きつけてくれました。

「まあ無理も無いよね、あたしがいないと今頃あんたは死んでたんだからさ」

「……ひっ!」

 その子の一言を聞いて、わたしはとても怖くなり、身体を震えさせながら涙を流してしまいました。

「わわ、ちょっと……。いきなり泣くなよな! ……ごめん、怖がらせるような言い方して……。あたしが悪かった」

 その子が、わたしの頭を優しく撫でてくれたので、わたしは安心してしまい、その子にしがみついて泣き叫んでしまいました。

「うう……うわあああぁぁぁん! 怖かったよおおぉぉ!!!」

「よしよし……もう怖くなんてないから……」

 しばらくして落ち着いたわたしは、その子から離れてお礼を言いました。

「あの……、本当にありがとうございます! なんてお礼を言えばいいのか……」

「あはは、気にすんなって。それはそうとさ、ボサッとしながら歩くなんて危ないぞ」

 その子に説教をされて、わたしは落ち込んでしまいました。

「あう……ごめんなさい……」

「へへ、まあコレからは気を付けるこったね! ……命は一つしかないんだからさ」

 その子は何だか、悲しそうな様子でそう言っている様にわたしには見えました。

「あの……わたしは鹿目まどかって言います。気軽にまどかって読んでください」

「うん。あたしの名前は佐倉杏子ってんだ。あと、敬語は止めてくれよな。固っ苦しいのは嫌いなんだ、 あたしは」

 杏子ちゃんは楽しそうな顔をしながら、わたしに自己紹介をしてくれました。

「えへへ、それじゃあ気軽にお話させてもらうね、杏子ちゃん!」

「へへ……それじゃあね」

 杏子ちゃんが何の見返りも求めずに帰ろうとしたので、わたしはお礼をする為に彼女を引き留めました。

「あ、ちょっと待って!」

「ん? どうかしたかい?」

 わたしは、恥ずかしい気持ちを胸に秘めながら杏子ちゃんに言いました。


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