過去ログ - まどか「杏子ちゃん、それはちょっと食べすぎじゃない……?」
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50: ◆GnIWQD74f.[saga]
2012/10/22(月) 22:28:24.08 ID:tcuxxpVNo
「おお、怖い怖い」

「もう……。ふざけてないでさっさと魔女の所へ向かうわよ」

「あいよー」

 あたしとマミは、そんな楽しいやり取りをしながら、結界の奥へと進んでいった。

 そうして結界の最深部に辿り着くと、錆びたバイクの様な魔女が姿を現した。

「……いたわね」

 やっぱりマミは過去の恐怖に囚われていたせいで、少しだけ気を高ぶらせていた。

「……マミ、とにかく落ちついて戦えよ。見た目程あいつは強くはなさそうだしね」

「ええ。……ありがとう佐倉さん。もしも貴方がいなかったら、私は憎しみに囚われたまま何をしでかすか分からなかったわ」

 マミはいつものマミらしくなく、あたしに対して素直にお礼を言ってくれた。

「……気にすんなって。マミがそんな感じだとあたしも調子狂うじゃんか」

「ふふ、それもそうよね。……それでは、こちらに気付いた魔女さんを倒すとしますか」

 魔女はあたし達の存在に気が付くと、自分の身体を纏っていたどす黒い錆びを周囲に飛び散らせ、
魔女らしくない綺麗な銀色のバイクの姿へと変化した。そして、こちらに突っ込んでくる。

「遅いぜ!」

 突っ込んでくる魔女の攻撃をあたしはサッとかわして、槍をヌンチャクの様に縦横無尽に操り、魔女をこけさせて動きを封じた。
すると、魔女のタイヤの部分がなさけなく空転して、地面をギュルギュルと擦っていた。

「マミ、今だ!」

「ええ!」

 威勢のいい返事をしたマミが大砲を創り出し、照準を魔女に合わせる。

「……ティロ・フィナーレ!!!」

 マミは、いつも以上に気合の入った声をあげながら魔女目掛けて巨大な弾を射出した。
その弾は見事に魔女を貫き、グリーフシードへと変化する。

「流石だぜ、マミ!」

「佐倉さんと私の二人でかかれば、どうという事はない相手だわ」

 そうして結界が崩れて元の公園の風景へと戻っていく。

「ごめんなさい……。貴方の事を助けてあげられなくて……」

 そう言いながらマミは、その場にしゃがんで目を瞑ってから手を合わせてしまった。

「マミ……」

 あたしは持っていたお菓子の箱を一つ、マミの前にそっと置いた。

「その代わりというと変だし、自己満足になるかもしれないけれど……。私はこの街を……みんなを必ず守りぬくから。だから、どうか安らかに眠って……」

 マミは手を合わせたまま、黙祷を続けた。

「マミ、その子はきっとあんたを恨んじゃいないさ。むしろ、ここまで思ってくれる奴がいて、その子は感謝してるんじゃないか」

 マミは黙祷をやめて、寂しそうな顔をしながら立ち上がった。

「……そうだと良いのだけれど」

 そんなマミの顔を見てると、あたしは自然とマミの事を励ましたくなる。

「バカだね、そうに決まってるじゃないか。何たってこんな美人にずっと思われてるんだぜ? それはもう、男の子冥利に尽きるって奴じゃあないか」

 あたしがそう言うと、マミは恥ずかしそうに顔を赤くして、あたしから目を逸らした。

「もう……。私はそんなに美人じゃないわ……」

「あはは! 照れるなよマミ〜。あたしがもしも男なら、あんたの事をほっておかないって!」

「……ふふ。ありがとう佐倉さん。なんだか私、とても元気が出てきたわ」

 マミに元気が戻ってきてくれた事に対して、あたしは嬉しくなり自然と笑いがこみあげてきた。


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