過去ログ - まどか「杏子ちゃん、それはちょっと食べすぎじゃない……?」
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54: ◆GnIWQD74f.[saga]
2012/10/22(月) 22:50:32.96 ID:T4W7OK9jo
「おいおい……。二人とも子供じゃないんだからそんな事で喧嘩すんなよー」

 そんなあたし達を、さやかのやつが茶化す様にそう言いやがった。

「そうよ二人とも。……まあ、中学生だからまだ子供なんだけど……」

「そんな事より二人とも喧嘩は止めてよ! たかがたい焼きで喧嘩するなんて、そんなの絶対おかしいよ!」

 例え、まどかの言葉だろうと、今のあたしには聞く耳を持たなかった。

「ガルルルルル!」

「この! 私のまどかを返しなさい!」

 ほむらは一体何を言っているんだとあたしは思った。だってあたしが食ったのはたい焼きだけだし。

「……二人とも。もしも喧嘩をやめないのなら、わたしは最後の手段を取らせてもらうよ……?」

「ま、まずい! 二人とも早く喧嘩をやめてっ!」

「このままだと……あなた達は……」

 さやかとマミの声が聞こえたような気がしたが、あたしはかまわず喧嘩を続けた。

「5……4……0!」

 笑顔だったが、やたらと凄みのあるまどかが、あたし達の間に割って入ってきた。

「なっ?」

「ま……まどか?」

「二人とも……喧嘩は止めて欲しいなって……、わたしはとっても思うのでした!」

 そう言って目を据わらせたまどかが、あたし達の首を両腕で抱えるように締め付けてきた。

「ま、待て! ギブギブギブ!」

「ま、まどか、もっと……もっときつくおねが……ぐぇ!」

 あたしはまどかの腕をトントンしてどうにか止めるように促した。それに比べてほむらは何故か嫌がらずに受け入れていやがる。

「……もう、仕方ないなあ」

 そう言ってまどかは、あたしの首を締めている腕の力を弱めて開放してくれた。ただしほむらの方は、そこから両腕でチョークされてしまう。

「ほむらちゃん……。たい焼き如きで喧嘩を始めるなんて間違ってるとわたしは思うんだ……。それに杏子ちゃんが食いしん坊だって事は、もう分かりきってるでしょ?」

「……っう、うふ」

「あ、きつく締めすぎて喋れなかったかな。ごめんね」

 そう言ってまどかは、少しだけほむらの首を締め付けている腕の力を弱めた。

「……ハア! ……ハア! ええ……ごめんなさいまどか……。でも私は……あなたが買ってきてくれた物を食べたかったから……」

「ほむらちゃん……」

 そして、まどかがチョークをやめて、そのままほむらに抱きつくような体勢になる。

「もう……ほむらちゃんたら……。別にそんな事に拘らなくても、わたしはいつだってほむらちゃんの物なんだから……」

「……はっ?」

 さやかはワケが分からないと言った感じで二人の様子を見ていた。

「……まどかあ!」

「……あ、あたしは認めないぞ! 断じて!」

 いちゃいちゃしている二人を前にして、あたしはついそんな事を口走ってしまった。

「杏子……。あんた一体何を……」

「美樹さん、彼女の事をとめないであげて……!」

 マミは、なぜかさやかの肩を悲しい顔をしながら掴んでいた。

「ごめんなさい、杏子ちゃん……。でもわたしは、ほむらちゃんの事が……」


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