過去ログ - まどか「杏子ちゃん、それはちょっと食べすぎじゃない……?」
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61: ◆GnIWQD74f.[saga]
2012/10/25(木) 22:09:16.13 ID:Hj+CZeWjo
 そして、遂にワルプルギスの夜がこの街に襲来してくる最後の審判の日がやって来た。
 私と一緒になって佐倉杏子や巴マミに美樹さやかは嵐の中にいた。

「みんな、準備は良いかしら?」

 私がそう言うまでもなく、みんなの覚悟はできているだろうけど、ここは士気を高める為にもあえて確認した。

「ああ、覚悟はしている!」

 佐倉杏子は武者震いしている様で、気持ちが高ぶっていた。

「あたしも……、正直負ける気がしないわ!」

 美樹さやかは、怯えている様には見えたけれどおそらく佐倉杏子と同じだと思う。

「ええ……流石に震えが納まらないわね。……でも一人じゃないからそこまで怖くはないわ!」

 巴マミの意見には私も大賛成だった。一人で戦っている時とは違って、妙に身体が軽いもの。

「ふふ。私も巴さんの意見に同意です……。こんなにも怖くなく戦えるなんて初めてだわ!」

 そんな会話を続けていると、ついにワルプルギスの夜が耳に残る不快な高笑いを続けながら遠くの方に姿を表した。
そいつは大きな歯車の下に、のっぺらぼうな人形を逆さにぶら下げたような姿をしていた。

「さあ、奴が姿を表したぞ……!」

 流石の佐倉杏子でも、そいつを目の当たりにすると少し及び腰になっていた。

「おうよ!」

 美樹さやかもまた、ワルプルギスの夜に対して恐れおののいていた。

「さあ皆、行きましょう!」

 そんな二人を元気付ける様に、巴マミが声掛けをしていた。

「ええ! ……みんな分かってるわね。こんな所で死んではダメって事」

 私がそう言うと、みんなが笑顔になって威勢のいい返事を私に返してくれた。
 すると、大量の使い魔達が私達の目の前へと姿を現し、杏子は真剣な表情に変わって大声をあげた。

「おい! 使い魔がやって来たぞ!」

 次々と現れる使い魔達の特性は、近接戦闘を得意とする格闘系や、遠距離を得意とする魔術師系に、
その使い魔達のサポートを専門とする支援系と、とにかく様々だった。

「あっちの使い魔はあたしが相手するね!」

 美樹さやかはそう言って、私達から少し離れた所にいる一体の格闘タイプの使い魔へと特攻し、持ち前の剣技を活かして斬りかかる。

「てい!」

 美樹さやかの攻撃は正確に使い魔を捉え、特に苦戦する事もなくスパッと斬り倒していた。
 しかし相手も一筋縄ではいかず、魔術師系の使い魔が美樹さやかに杖の様な物を向けて、今にも魔法の弾を撃ち出そうとしていた。

「ふふ、そんな攻撃の遅さでは私の敵ではないわね」

 美樹さやかを守る為に、巴マミはマスケット銃を一丁創り出して、魔術師系の使い魔に照準を合わせ弾を撃つと、その使い魔を正確に撃ち抜いた。

「さんきゅー、マミさん!」

「ふふ、後ろは私に任せて」

 美樹さやかと巴マミの二人は、とても楽しそうに合いの手を取っていた。

「あたしもさやかに続くよ!」

 佐倉杏子も美樹さやかと同じように前に出て、槍をヌンチャクの様に自在に操り、複数の使い魔達を同時に薙ぎ倒していった。

「ふふ、さすが杏子ね。やるじゃない」

(杏子。何故か分からないけれど、私はあなたには先を越されたくはないわね)

 この時私は、佐倉杏子には負けていられないと思ってしまった。そんな私の心の内など知る由もない彼女が、楽しそうにわたしに話しかけてくる。

「当たり前さ。こんな雑魚に苦戦してちゃ、当然あいつには辿り着けないからね!」


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