過去ログ - まどか「杏子ちゃん、それはちょっと食べすぎじゃない……?」
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93: ◆GnIWQD74f.[saga]
2012/11/01(木) 21:41:27.78 ID:QGHlCYevo
「あっ! いいえ! 鹿目さんのお父さんは何も悪くありませんっ! 私はただ、
自分の事をあれこれ考えてしまっていい子なのかなとか思っただけですからっ!」

 鹿目さんのお父さんは、私の話を聞いて何かに気付いた様にハッとしていた。

「あ、そう言えば僕の名前をまだ言ってなかったね。僕の名前は鹿目知久。好きに呼んでもらって構わないよ。
それと、この通り主夫をやってるんだけど男が家事を担うのは、巴さん的にはおかしく感じるかな?」

 自己紹介をしてくれた知久さんが、唐突にそんな質問を私にしてきた。

「いえ、そんな事は無いと私は思います」

 私が一言そう言うと、知久さんは嬉しそうに微笑んでいた。

「あはは。ありがとう巴さん」

 知久さんが私にお礼を言いながら取り皿に料理を盛ってくれていた事に私は気付いて、大変申し訳なく思い謝ってしまった。

「あ。何もお手伝いもせずにすみません……」

「あはは。巴さんの為に用意した料理だからね。どうか、今日は気を使わないでたくさん食べてね」

 知久さんに続く様に、微笑んでいた鹿目さんが言う。

「パパの言う通りだよマミさん。今日だけでも気を使わずにゆっくりしてほしいな〜」

 詢子さんは少しお酒を飲んだのか、顔を少し赤らめながら、とても楽しそうにしていた。

「そうだよお。それにしてもまどかの友達は礼義正しい子ばかりだねえ。んまあ、杏子ちゃんみたいな珍しい友達もいるけどねえ」

 詢子さんは鹿目さんの顔を見ながら佐倉さんの事を口にしていた。

(そういえば、佐倉さんは鹿目さんの家に一番お世話になっているのよね。彼女にも大切な居場所ができて本当に良かったわ……)

 佐倉さんが幸せに生きている事を再確認した私は、自然と嬉しくなってしまった。

「えへへ。 言われてみればそうかも〜」

 私達三人が話をしている中、鹿目さんのお父さんが全員の取皿に料理を盛ってくれていた。

「さあ。料理が冷めないうちに食べようっ」

 そして、知久さんがいただきますと言うと、みんなも後に続いて手を合わせ、いただきますと言った。
私は早速、お皿に盛られていたカルパッチョを口に入れた。すると、
豊かなオリーブオイルの香りと新鮮なサーモンの風味が口の中いっぱいに広がってきた。

「……凄く美味しい! 今まで食べたイタリア料理の中でも一番ですよ!」

 私はついサーモンのカルパッチョの美味しさに興奮して、そんな事を言ってしまった。

「あははっ。どうもありがとう。そう言ってくれると、とても嬉しいよ」

 鹿目さんのお父さんは少し恥ずかしそうに喜んでいた。

「うう〜ん! このカルパッチョ、ホントに美味しい〜!」

 鹿目さんも、この極上の味にご満悦の様子だった。

「ああ〜! ワインと合うわあ!」

「もう、ママったらぐびぐび飲んじゃって……。そのペースじゃすぐに潰れちゃうよ?」

 ぐびぐびとワインを飲んでいる詢子さんを見た鹿目さんは少し心配そうにしていた。

「あははは! 大丈夫だって〜!」

 二人がそんなやり取りを続けている中、鹿目さんのお父さんはタツヤくんに、
ラザニアを食べやすい大きさにスプーンで掬ってから冷ました後に食べさせていた。

「さあ、タッくん。まんまだぞー」

「まんま、まんまー」

 タツヤくんは口の周りの汚れも気にせず、美味しそうにラザニアを頬張っていた。

「美味しいかい?」

「おいしー!」


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