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396: ◆EEWQeQ.ZIg[saga]
2012/10/29(月) 23:49:07.77 ID:XiX6yoc+0
1、自由行動「父と対峙した時、何を言われても、負けないと、自分を信じると約束してくれ」

貴方「……眼鏡さん」

眼鏡「なに？」

貴方「……あまり、言いたくない事です。私の父は、あなたを、あまり良く思っていません」

眼鏡「……そう」

貴方「恐らく、眼鏡さんが来た場合、容赦ない言葉の刃を浴びせるでしょう」

貴方「私は眼鏡さんを守ります……でも、眼鏡さんは、傷付く事でしょう」

貴方「身勝手なのは、重々承知しています。その上で、お願いです」

貴方「私の父と対峙した時、眼鏡さんが何を言われても負けないと……」

貴方「私を信じると、約束、してください」

貴方「私は、あなたを守りますから……！」

眼鏡「良いわよ」

あっさりと。人の話をちゃんと聞いていたのかと思うほど、眼鏡は、あっさりと答えた。
あまりにも淡白過ぎて、貴方は一瞬、自分の耳どころか目さえ疑った。

しかし、眼鏡はやはり、あっさりと答えていた。

眼鏡「――さんのお父さん。酷い人なのかしら」

貴方「……子供の私でさえ、思います」

眼鏡「私、将来その人と付き合っていかなきゃいけないのよ？」

眼鏡「会って、ちょっと嫌味を言われたくらいで、へこたれないわ」

貴方「嫌味なんて、そんな優しい物じゃあないんですよっ……！」

眼鏡「でしょうね。あなたが、そう言うんだから」

眼鏡「……それでも、私、あんたと一緒にいるなら、地獄行きでも付き添う覚悟よ」

眼鏡「私ねえ、心は弱いけど、折れないわよ」

まるで日常会話の延長のようだった。
眼鏡は、そんな調子で言って、また、ご飯を食べた。

……侮っているのは、どちらだ。眼鏡か、貴方か。
眼鏡は貴方が思う以上に、強い人なのだ。弱いが、強いのだ。
そして、貴方が想像する遥か以前に、貴方と共にいる事で吐きかけられる悪意全てを受ける覚悟を完了している。
そうでなければ、さも当然と言わんばかりに、あんな事を言えるものか。

貴方「……頼もしい、限りです」

眼鏡「そりゃ、どーも」

覚悟やらなにやら、足りていないのは、貴方の方なのかもしれない。

貴方は、眼鏡と一緒に、昼食を食べた。

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