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541: ◆EEWQeQ.ZIg[saga]
2012/11/02(金) 22:09:18.84 ID:DAu2FT1b0
1、自由行動「手を握って、不敵な笑い、大丈夫。負けやしねぇ。もう俺は怖くないしな」

貴方は眼鏡の手を握り、そっと自分の方へと寄せる。
そして、にやりと、不敵に笑って見せた。あまりした事は無いが、これで良いはずだ。

眼鏡「――……さん」

貴方「大丈夫。負けやしません。もう、僕は怖くないですよ」

貴方ははっきりと、言い張った。

怖くないはずが無い。何を怖れているのかはさておき、怖れているのは確かだ。
だから、歩くのを躊躇うのだ。
父は……いつも通りだからどうでもいい。本当に怖いのは、眼鏡と離れる事。
貴方が最も怖れるのは、それ、だと思われる。

だが、怖くない。恐くない。今更になって、感情を取得するものか。
貴方は産まれてこの方空っぽなのだ。だから、今も空であれ。
その上で、貴方は、いつも纏う衣を忘れない。
熱くあれ。そして、恐れを持たない空であれ。

貴方はぎゅっと、眼鏡の手を握る。

貴方「大丈夫です」

眼鏡「……うん。大丈夫よ。ごめんなさい。怯えて」

貴方「僕は、嬉しいです」

使用人女「いちゃつくのは結構ですけど、早く行かないと怒られますよ？」

……つくづく、空気と言う物をまるで読まない女だ。いや、今のは、敢えて読まなかったのだろう。
その意図は……言葉通りであると、受け取っておこう。

貴方「……行きましょう」

眼鏡「うん……」

貴方と眼鏡は、一緒に父の所へと向かった。

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