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675: ◆EEWQeQ.ZIg[saga]
2012/11/04(日) 22:03:04.14 ID:ptBCsA1t0
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｜穴場の海｜
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電車に揺られ、乗り継ぎ、揺られ、そうして貴方と眼鏡は、海に着いた。

静かな町だ。悪く言ってしまうと、寂れた地域。
だからこそ立ち寄る人は少なく、雑誌やテレビなどにも取り上げられない。
この時期であっても、あの海岸を使うのは地域住民だけだろう。

眼鏡「わあ……！」

貴方の予想も、思い出もそのままで、確かにそこは、静かな海だった。

人影は少なく、ちらほらと、犬と散歩に来た老人か、海水浴に来た地域住民か。
あまりに人が少ないため、監視員の姿すら見えない。逆に、ありがたいと言えばその通り。

だが、貴方が言う静かとは、そう言う意味では無い。
波が、どうしてかいつも穏やかなのだ。もちろん、雨の日、嵐の日は大層荒れる。
晴れの日は、例え風が強くとも、この海岸だけは穏やかなのだ。

それは今日も変わらず。まるで楽器が音を鳴らすように、波が打ち寄せる。

眼鏡「……綺麗」

また、嬉しい事に、海は綺麗なままだった。
人が集まらないのが主な原因なのだろうか、砂浜にはゴミの影すら見えない。
砂浜から水平線まで、どこからどこへ辿って見ても、この海岸は綺麗。

ここからでは良く見えないが、恐らく、水も透明な事だろう。

眼鏡「本当に、こんなところがあったなんて……」

貴方「気に入ってくれましたか？」

眼鏡「……文句なんて、言えないわ」

それは、良かった。

ただ一つ問題があるとするならば、ここは人が全く来ないため、「海の家」的な物が一つも無い事だ。
商売として成り立たないから仕方が無いのだが……。

水着はおろかサンダルも買えないし、昼食は海から少し離れた場所で取らなければならない。
……まあ、穴場である代償と思えば、安いものだと思う。

眼鏡「ねえ、もっとあっちに行きましょうよ！」

眼鏡は波打ち際を指差し、貴方を誘う。
喜んでくれるのは嬉しいが、まさか、こんなアクティブになるとは思わなかった。
意外と、アウトドアな人間なのかもしれない。現場に着いたらテンションが上がる人は、良くいるだろう。

貴方は

1、行く
2、自分はここで待つ
3、自由行動

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