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867: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2013/03/06(水) 02:27:45.10 ID:+PGmaAWdo

紅莉栖「そんな……“紅椿”が“瞬時加速”を行えるなんてデータは……」

 岡部は突然の奇襲に対して咄嗟に右腕を掲げた。
 それが功を奏し、接触と同時に“サイリウム・セーバー”を呼び出し対応する。

 至近距離での鍔迫り合いが始まった。

 ──ジジ・ジ。

 “サイリウム・セーバー”と“空裂”の刀身がギリギリと擦れ合う。
 
箒『私は……努力をしてきた。“紅椿”を手に入れてからも、ひたすらに、ひたすらに』

岡部『ぐっ……』

箒『倫太郎。お前が近頃、ISでの戦闘を良く思っていないのは動作を見れば解る』

岡部『──っ!』

 鍔迫り合いの中、箒が岡部へと語りかける。
 まるで、話す為にオープニングでの奇襲を仕掛けたかのようであった。

箒『理由は知る由も無い──が、頼む。本気で戦ってくれ。でなければ、私の努力は意味を成さなくなってしまう』

 特別IS戦闘演習場で味わった2度の敗北。
 その連敗を与えた相手は今、鍔迫り合いをしている岡部であった。

 先週行った練習での勝ち負けなど意味をなさない。
 大事なのは、今であった。

箒『倫太郎と一回戦で当ったのは、天運極まりない。全力で──戦える』

岡部『……』

箒『身勝手な頼みなのは承知の上だ。その上で──頼む』

 箒の表情は真剣で、本気そのものであった。
 研鑽に研鑽を重ねた。

 楯無に頭をさげ、空いた時間は全てを特訓に費やした。
 全ては敗北を与えた男を倒す為。

 “二段階瞬時加速”-ダブル・イグニッション-はその特訓での賜物であった。

岡部『………………承った』

 しばしの沈黙の後、岡部は了承の呪文を唱える。

 それと同時に“サイリウム・セーバー”から膨大なエネルギーが噴出した。

箒『ぬっ……!!!』

 その衝撃で“紅椿”は後方へと吹き飛ばされることになる。

岡部『今の俺に出来る、最大だ……』

 紅莉栖が施した施術。
 “刻司ル十二ノ盟約”を起動するために現れた膨大な量のエネルギー。

 それは均等に他ガジェットへ供給されるように設定されている。
 けれど、搭乗者──岡部の意思により、供給先と量を調整出来るようにされていた。

 箒と戦うのであれば遠距離射撃武器の使用は必要ない。
 全ては剣撃のみで決着がつくだろう。

 岡部は全てのエネルギーを“サイリウム・セーバー”へと供給した。
 


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