過去ログ - Steins;Stratos -Refine- U
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◆H7NlgNe7hg
[sage saga]
2013/03/08(金) 21:42:11.60 ID:T6cLchBfo
──スピリタスを……ストレートで。
マスター「……お強いお酒でございますが」
──ソレを。
マスター「かしこまりました」
来客はスピリタスを注文した。
スピリタス……世界最高純度のスピリッツ。
格好を付けて嗜むには度を越した飲料である。
──……。
マスター「……」
ショットグラスに注がれたソレを男は一息で飲み干した。
96度に達するアルコールを飲み込んだと言うのに、男の顔色は一切の変化が見られない。
強がりや去勢ではないことを、マスターも理解する。
──もう……何も感じない、か……。
そう小さく言葉を溢す。
その台詞を聞き取れたのは、同じくカウンター席に座り固まっていた千冬のみであった。
立ち上がる男。
動けない千冬。
その男は静かに口をあけ、言い放った。
──俺は、俺を止められない。
千冬の耳にだけ届いた言葉。
男がバーから出て行くと、千冬を押し止めていた空気は霧散した。
千冬「ま……さか……」
急ぎ振り向くが、既にその男は姿を消した後である。
背中を追ってバーを出たところで追いつけるとも思えなかった。
千冬「まさか、いやしかし……本当に、お前なのか……」
──“岡部 倫太郎”。
あの威圧感は異常と言えた。
気を張ってなかったとはいえ“織斑 千冬”をフリーズさせていたのである。
常人があのプレッシャーを受けたのであれば、気を失っても笑うことはできない。
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