過去ログ - P「学生生活でもするか!(2学期)」
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37: ◆72cuWZiGoBc/[sage]
2012/10/25(木) 18:45:57.07 ID:svzBkC3AO
P「………」

 ポケットから取り出したるMD。

 今日部室にくる前に、“頼まれていた物が出来た”と渡されたもの。

 みんなの視線が集まる中、デッキを操作してそれを再生させた。

千早「……これは…?」

 まず、やっぱり千早が反応する。

真「なんていうんだろ、トランス系……でいいのかな?」

 流れてきた曲は、真のいうとおりトランス調の音楽。
 そして女性…軽音楽部のボーカルの子による歌付き。

春香「……これ、新曲ですよね?」

 一度目のサビを過ぎたところで、春香が尋ねてくる。
 俺は首肯し、曲を一時停止させた。

P「今回は事前に『こういう歌詞の曲を』とお願いしていたから、初めから歌詞がついてるんだ」

 また無茶な注文をしたものだけれど、軽音楽部の皆さんはイヤな顔ひとつせずノリノリで引き受けてくれた。

 ヘヴィメタルを主要とする軽音楽部では唄えないような曲が作れて楽しいと言ってもらえ、甘えてばかりなこちらとしても少し嬉しかった。

 けれどこの短い期間にこの曲。本当に感謝してもしきれない。

真「まさかプロデューサー、この曲をいまから覚えてイベントで歌えっていうの?」

 みんなが黙り、ジッと見つめてくる。
 対して放つ言葉は、もう決めていること。

P「──この曲の名前は『First Stage』。俺はこの歌を雪歩に、“ファーストステージ”で唄ってもらおうと考えてる」

 沈黙。
 みんなが俺の言葉を理解するのに一瞬の間。

 こうしてみるとみんなを黙らせる機会がやたら多い気がするな俺。
 突拍子もないことばかり言っているからだろうけど。

雪歩「……えーっと……」

P「そういうつもりだから、これからもっと辛い思いをさせてしまうかも知れない。いまのうちに謝っておくな、ごめん雪歩」

 茫然としている雪歩に頭を下げて、謝罪する。
 このままだと雪歩には、あまりに過酷なスケジュールを強要しすぎてしまうから。

雪歩「えへへ、いいんですよプロデューサー。私、ちんちくりんですけどいまから新しい歌を覚えるなんてとてもとても……とても……と……ても……」

 虚ろな瞳で、感情なく笑う雪歩。

 猛ダッシュで立てかけていたスコップを掴むと、ドアの前にいた俺を押しのけ──

雪歩「──無理ですうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

 走り去ってしまった。



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