過去ログ - P「学生生活でもするか!(2学期)」
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522: ◆72cuWZiGoBc/
2013/10/01(火) 03:13:48.12 ID:Qv7hLJ4AO
「………」

 ギシギシ。

「………」

 ギシギシ。

 我が家が。ご近所が。全てが寝静まった、耳鳴りがするほどの静寂が支配する深夜。

 廊下が小さく軋む音がした。
 規則的に、最小限の音で済むように注意を払っているのがよく解る、慎重な足運び。

 それは夜中の来訪者だった。
 来訪者は丁寧にも玄関口から侵入し、自らの靴を回収すると真っ直ぐにプロデューサーの部屋を目指して来ていた。

 来訪者は部屋の前に着くと、ノックもせずに戸を開ける。
 窓の外から満足に光源を取り込めない筈の、ただただ暗闇であるはずの空間を危なげなく歩いて、ベッドの上に横たわっているプロデューサーを眼下に見据える。

 普段であれば此れ程の、手をのばせば届く程の距離まで人が近付けば、プロデューサーは反応する。
 だがプロデューサーは気付かない。
 日中の移動と夕方の騒動と夜の掃除によってバカみたいに高いプロデューサーのタフネスは確実に削り取られていて、今は完全な休眠状態に陥っていたから。

 それを知ってか知らずか、来訪者はほくそ笑む。

 ギシリ。

 今度はベッドを軋ませる来訪者。

 肌着と下着の上下にタオルケットを掛けただけの無防備な姿を晒しているプロデューサーに馬乗りになるようにしゃがんで、その口を、耳元に近付けて、そっと呟く。



「おかえりなさい、ハニー」



 プロデューサーは飛び起きた。



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